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加速する現想譚  作者: 無碍
1章 初速
5/38

5th 今後につく

「ふっ、シィ――、はああぁぁっ!!」

「うーん……」


 次々に此方へと降りかかってくる剣戟を時には避け、時には剣で(借りた)弾く。

 時にはフェイントを、時には愚直なまでの剣筋は明らかに達人と呼べるものだ。

 しかしそれを淡々と避けたりする俺ってなんなんだろう。

 いや、ぶっちゃけて言うと、こっちに来てから、というか呼ばれてから、日に日に身体能力が上がってますね。何でだ。

 元々鍛えていた事もあって、今じゃもうほら、第二王子さん(騎士団の連隊長らしい)さえも軽々と。


 というか、そろそろ付き合うのも疲れてきたし、終わらせよう。


「おおおおおおお!!!」

「……」


 打ち込まれてくる太刀筋に沿って、流すように裏拳を入れる。

 剣を弾き、そのままに蹴りを入れた。


「が、ぁ?」

「ういしょっと」


 そのまま適当に震脚で正拳付きを叩き込む。

 吹っ飛ぶ王子様。


 直後、それまで、という声が響いたりした。




「救世主様は本当にお強いですね。何か習っていたのですか?」

「え、まあ少し」


 ああめんどい。

 聞かれるのが判っていたからこそ殆ど動かなかったが、それでも興味をとめることなど出来ないのか。

 つい先程までいたのはこの国の騎士の鍛錬場で、そこで模擬戦をやってたわけだが。

 俺なんかに負けていいのか連隊長。オイ。


 かるく言葉を交わしてさっさと出る。

 というか、気になって使用人方に聞いてみると、どうやら此処、相当危ないらしい。

 魔物などのレベルは低いが、国の上層部などが割れていて、そろそろ危ないかも、と。

 いや、うすうすわかってはいたんだけど。


 つー事で、この国から出る事に決定。


 誰かに使われるなんてのは真っ平ごめんだし、死ぬのはもっと嫌だ。

 どうやらこの世界にはギルドが在るらしく、これもテンプレ設定。


 其処に所属して、依頼をこなしていけばどうとでもなるだろう。

 幸い俺の顔はまだ一般には出回ってないみたいだし。


 その日、早速、登録しにいった。




 ギルドではランクGから始まり、一番上はSSらしい。世界中でも片手の指程度らしい。

 Gは言ってしまえば子供の手伝い程度のことしかしない。本格的な依頼はEから。

 ランクDまでは試験で取得できるので、それを試しにしてみたら楽だった。

 依頼内容は大牙狼五匹の討伐。


 城から借りてきた剣で直ぐに終わる、が。


 命を奪うということに対してやはり耐性が無く、帰ってきてからは何度か吐いた。

 それでも生きなければならないのだろう。


 ああ、くそったれ。

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