表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
加速する現想譚  作者: 無碍
序章 反速
4/38

4th 突風による僥倖

「ですから、魔力の道筋を中から外に作るんです!!」

「いやだからソレをどうやってするのかと」

 何と言うか、起きて早々巫女さん……つまりはノルンさん(王族らしい)に魔術を教えられてます、何だこれ。

 朝飯を食べようとしたら姫さんの私室に連れ込まれ、いきなり”魔術を使ってください”といわれても出来るわけ無いでしょうが。

 そもそも最近少しづつ身体の中で魔力を循環できるようになったばかりで、外への事なんて全く気にしてなかったし。

「だから、そうじゃなくて!! 魔力を外へと放出するんです!!」

「うーん……」

 イマイチよく分からない。何と言うか、どうやったら外へ出せるのだろうか。

 外への道は作れても、癖で身体へと戻ってきちまうんだよな。

 どうするんだろ。

「何でタツヤ様は身体へと戻せるんですか……」

「いや、それはもう癖だから」

 そんな呆れた眼で俺を見ないでっ。

 常識的に考えれば、俺がやっている事はマジで凄い事らしい。

 在る意味で魔力の永久機関。実際、姫さんが出した魔力も中に戻せた。

 いや、どういうことなんだろうねホント。

「何と言うか、”循環”する道じゃなくて、”放出”する道を造るんです」

「あ」

 そうか。そうだよな。

 同じ道でやろうとするから悪いんだ。

 ならば新しく、その用途に沿ったものを作ればいい。

 とゆーわけで。

「ん……」

 感じとしては水鉄砲を想像。

 一度タメをつくり、意志の引き金で力強く放出する銃。

 新たに作られたそれに魔力をタメて、ちょろっと、弱い感じで引いてみる。

 ご、という地鳴りにも音が響いた。

 瞬間的に何かが弾け、闇色の風が突っ走る。

 それは姫さんのスカートを捲り上げ……おお。

「ちょ、ちょっと!? タツミ様何してるんですかぁっ!!」

「あ、いや、そのごめん。在る意味ワザと」

「殴りますよ!?」

 悪気は無いんだってば。

 ともかく、怒られる前に俺は姫さんの私室からすたこらと逃げ出した。




 うん、白だったなぁ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ