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加速する現想譚  作者: 無碍
3章 微速
24/38

24th 武闘祭? 何ソレ?

いろいろと遅くなってすみませんでしたー!!!!

いや、いきなりですみません。パソコンがご臨終なされてデータ全部行ってました。おかげで色々と大変でしたすみません。

しかも今回は短いし……orz

ただ、その分次回にかけるものがいくつかあるので、そこら辺をお楽しみいただければいいなぁ、と。

あと、60万PV突破有難うございます!! というか、ドンドン伸びていっていつか果てしないことになるんじゃないかと心配で心配で……。

 笑ったっていい。指差してくだらないって言われてもいい。

 罵られても否! 逆に罵りた――すみませんでした。

 まあ冗談としても。

 今現在、俺は帰り道を歩いてるわけですが。

 因みに普通にシャツとズボン。いや、街中で帯剣してコート羽織ってたら何気に目立つんだぞ?

 大体太刀は明日宿に届くし。今は手ぶら。

 ズボンに入れてある財布くらいか。所持品は。


 ぽてぽてと道を歩く。

 既に路地裏からは出ているので、今は大通り。

 道端には商店がずらりと並んでおり、威勢の良い引き声や、活気があふれている。


 ……うん、ここまではいい。普通に、一般的なことだ。


 だが。

 俺の隣にはレイシアとウルドが居ない。

 はい、何故でしょうか?


 A.逃げ出した。


 いや待て。違う違う。何で逃げ出すんだ。というかなんか誤解を与えそうな描写じゃないかコレ。

 そうじゃなく。

 裏路地から抜けて、商店がほら、ここいっぱい在るだろう?

 まあ、女性は買い物が好きなわけで、それはお二方も例に漏れず……。


 即座に飛んでいかれました。

 つまり?

 ……置いて行かれたんだよチクショー!!


 あ、い、いや、別に宿屋への行き方がわからないわけじゃないんですが。

 ぶっちゃけ、自分もそろそろ補給物資とか確保しなきゃいけないわけですよ。

 リヴォルグの餌とか、保存食とか、他にも色々とあるわけでして……。


 やることは結構多いわけですよ。

 まあ、取り敢えず今日の目的の『武器調達』は叶えたし、他の目的といえば、物資の調達、魔王とかの伝承についての調査、一応資金集め……。

 ……何か自分がこのパーティーの会計役になってるんですが。いつのまに!?


「まったく……財布事情も楽じゃないんだけどなぁ……」


 実際そうだ。

 この前の魔皇石の依頼でかなり稼いだとはいえ、その三分の一が治療代に吹っ飛んだ。で、色々と買い物をすると既にまた減るわけで。

 ……現状。金貨ソル十二枚、銀貨ウィル二枚、銅貨セル二十七枚。

 日本円に換算して、百二十二万二千七百円で御座いますわよ奥様!


 何気に多いじゃないかと? 実はそれがそうでもない。

 確かに、あちらの世界で稼いだともなると大金だ。無論、こちらでも大金ではある。実際、平民の人たちの基本年休の三分の一は持っているわけだし。


 ただ、これを検分してみると、ちょっと泣きたくなる。

 で、自分たちの所持品を換算してみる。

 先ず、自分の大太刀。これは価値がとんでもなく高い、らしい。レイシアによると数百金貨ソルはするらしい。

 お次にレイシアさん。

 装備品一式でかなり高額。他、色々と魔道書とか買ってたために膨れ上がってます。

 最後、ウルド。

 自分がやった短剣と、弓。あとは服とか諸々。


 で、コレを換金すると、千~二千金貨にはなるだろうなぁ。

 コレだけの中で、殆どが装備品に持っていかれてる。つまり、コレを失った場合における損失はデカイ。

 言うなれば、大金で戦ってるようなもの。いや、そこは殆どの人が同じだけど。

 だが、もしもそれを失ったら?

 とんでもない額の損となってしまう。


 で、これを報酬額とかに合わせて鑑みると。

 報酬額が少ないということはあれど、多いということは無い訳だ。命張ってるし。

 まあ実際、それを失えば元も子もないわけで。

 頭を悩ませるのはまあ、これだけじゃないんだけどなぁ……。


「--ッ」


 またか。

 軽く痛痒い感じが、右手の甲から発せられる。

 かっこよく言うと『疼……やめよう。中二病過ぎると恥ずかしいから。


 端的に言えば、先日の紋章がなんか使えるようになった時から、何か微妙に紋章コレが微弱に発動している感覚があるのですよ奥さんっ。

 実質的な障害は無いけど、これがまた如何ともし難い。

 こう、いきなり人の動きがスローになったりするのだ。自分だけが早くなった感じ。


 使いこなせない力ってのは面倒なんだなぁ、と実感する。

 自分の体は使い方も加減もわかってる。だけど、この力は全く判らない。

 怖くも在るし、力強いとも思うけど……。正直、手に余るんだよなぁ。


 確かに、一応は自分の意識でスイッチの切り替えが出来る。だけど、その強さが定まらない。

 ある時はほんの少しだけ周りより早くなり、またある時は全てを置き去りにしてしまうほど早くなる。

 これは、レイシアとウルドには隠してある。いや、心配かけたくないし。


 で、今は少しだけ発動してる状態で、こうなるとスイッチの切り替えが出来ない。まあ、移動速度が上がっただけってだけで、そこまで不便なわけじゃないんだけど。


「ああもう……」


 思わず溜息。と言うか、そろそろ魔王とやらの手がかりが無いものかと思う。

 今まで色々な図書館、資料室などを当って来たが、どれ一つとして資料が無いってのはどういうことだ? いや、多分禁忌にした、とかで禁書、下手したら廃書にされたのかもな。

 ……どうしよう。俺下手すると元の世界に戻れない?


 とぼとぼと歩きながら考える。

 ……そういえば、此処って元々は魔王がいたところらしいよなぁ。何か手がかり無いかなぁ。

 救世主として呼ばれた俺であるわけで、その救世主としての役柄を果たせば元の世界に戻れるのではないか、という単純な思想。

 ……悪かったな。頭悪いんだよ俺は。


「――なあ! 今年の武闘祭はどうなるんだろうな?」


「さてねぇ。アタシャ以前みたいに無銘の人が勝つんじゃないかと思うんだけどねぇ」


 はあ、そんなものがあるのか。血気盛んだなぁ。やっぱり商業が発展とかしてくるとそういうものが必要になってくるのかな。


「どーだろうなぁ。でもさ、もしかしたら今度はいろんな人が来るかもしれないぜ? だってよ、優勝者には伯爵様から何でも褒美がもらえるらしいぜ」


 ――なんですと?


「またまたぁ~。そんなうっさんくさいことに手ぇ出してんじゃないよ、アンタは」


「いやいやいやっ! ほら、これ! 武闘祭のチラシ!! 確かにかいてあるだ――ヒィッ!?」


 気づけば俺は、その人の肩をつかんでいた。

 そして、きわめて紳士的な口調で、


「ちょっとそのお話、詳しく聞かせてもらえませんかねェ……?」


 ほら、俺ってば紳士。

 そうだろ? だって優しげな笑顔を浮かべてるんだから。

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