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加速する現想譚  作者: 無碍
3章 微速
19/38

19th 加速の始まり・上

どうも、お久しぶりです。無碍です。

テスト週間が終り、やっとこさ投稿が出来ました。

ここから少し、すこーし、タツヤが……どうなるんだろう?

あと、何時の間にかPV十万いってました。

此処までお付き合いくださっている読者の皆様方に、自分の意志ができるだけの感謝を!

……詳細なパラメータでも書こうかな(何

 加速する、と言うことは、どういうことだろうか?

 文字面的には速さを加える、ということなのだろうが、それはどういうものだろうか?

 加速。

 速くなる。

 それは様々な物事に当てはまる言葉。


 だからこそ、それは――


「……タツヤ」


「はいっ?」


 行き成り名前を呼ばれて変な声が出た。

 今居るのは相変わらず狼車の御者席。とほほ。

 その後ろに在る窓から首を出して話しかけているのはレイシアさんでした。だから開く時に頭に当たったら俺死ぬんですが。


「……寝てたの?」


「いや、そーゆーわけじゃないけど」


 とゆーか、寝てても問題ないんだけどね。

 リヴォルグがテキトーに道を進んでくれるし、分かれ道の時は起してくれるし、危険な時も起してくれるし。リヴォルグさまさまです。


「で、どうかした?」


 何もなかったとは思うけど。

 しかし彼女は首を横に振って。


「……そうじゃなくて。……前倒した、あの変な魔族のこと」


「……………………ああ」


 いかん、余りに雑魚過ぎて印象が薄く、思い出すのに時間が掛かった。

 あの白タイツね。

 連隊長とか何とか。


「あの魔王軍何とかーだろ?」


「……そう。……貴方は、どう思う?」


「魔王軍何たらってやつ?」


 こくりと頷く彼女。

 そうだなぁ……。


「実際、俺は最初魔王が居るとは思ってなかったんだけど」


 マジで。

 只単に王国の腐った上層部が体の良い理由にでもしていたのだと思う。

 ただ、


「今回の件で魔王が居るっていう可能性がかなり上がった」


 態々魔族に自分は魔王様の配下だーわははとかいうアホなヤツは居ない。

 そんなことをすれば一気に人間が殺しに来るし、何より他の魔族がほうっておかないだろう。

 事実、以前魔王は存在していただろうし、それの配下の一族とかも居るらしいし。

 でも、今回のヤツは何もされて居なかった。


 つまり――


「魔王は、居ると思う」


「……私も、概ね同じ」


 ぶっちゃけ、何処にいるとかそういうのは分からないけど、状況的に言ってそうだし、何より俺の勘がそうだと言ってる。

 まぁ、だからとはいってもなぁ……情報が少ないし。


「現状、どうしようもないよなぁ」


「……そうね」


 二人そろって溜息をつく。

 と言いつつ、実はもう一つ問題が……。


「……なに?」


「いや、何じゃなくて。旅費がそろそろなくなってきたんだ」


「……なんで」


「誰かさんがバンバン魔術書とか買うから」


「……知らないもん」


 もんじゃないっ。可愛く言っても駄目!

 実際かなり危ない。

 今は保存食とかでもってるけど、これも後一週間くらいで尽きるし。

 後金貨も二、三枚くらいしかない。

 最寄の街に行って、適当な依頼でもしてお金溜めたいんだけど……。


「……む~」


「レイシアもウルドも、暖かいお風呂とベッドが恋しくないか?」


「……」


「どう?」


「……………………………………………………………………」


 こくり。

 よし、俺の勝ち。


 で、今の所、一番近い街は確か……。

 アイシス、ね。


 てか近ッ!? 今日中というかあと一時間程度でつくじゃん!?

 あー、でも進行方向とは違うから見えなかったのか。


「じゃあアイシスって街に行くけど、良い?」


 まあ反論は聞かないけど。


「頼むな、リヴォルグ」


「ヴぉふ」


 相変わらず頼りになるよ相棒。




 で、来たわけですが。


「何この妙な空気……」


 堅城都市と呼ばれてるらしいアイシスは、そのとおり名の伯爵リグエダというおっさんが治めている。まあ、街の中心部に城が在ると思えば良い。

 で、魔物のランクが高いここらの地方は、基本的に少数精鋭の兵達が巡回しており、その錬度も、まぁ、中々のものだ。

 まあ実際、活気も在るし、発展もしている。気候は寒いが、それでも其処までじゃない。

 良い町だ。


 ――――だが。


「……この街」


「ああ。空気、いや、大気中のマナか、コレ?」


「えと、あの……何か?」


 首を傾げてるウルド。そういや魔術使えないんだっけ。

 てか魔力は使えるから、ただ単に鈍いだけか。いつもは素早いのに。ああ、ちっこいからか。


「ちっこいって言わないで下さいっ」


 まあ無視して。


「無視しないでくださいよぉっ!」


「汚染、されてる……?」


「……」


 こくりと頷くレイシア。

 にしても、マナは世界に漂う魔力。これが結晶し、意思を持つと精霊になる。

 だけどこの場合、汚染されているマナは、


「魔物を呼び寄せる、か」


 汚染されていると言っても、その汚染しているものが問題。

 これ、俺は只、なんかイヤだなぁ、程度にしか感じないが、敏感な人だとかなり応えると思う。

 レイシアも、ウルドも精神力がかなり強いっぽいから大丈夫だとは思うが、この汚染しているものは……


「……多分、負の感情」


「だよなぁ……」


 俗に瘴気とか、邪気とか言うけど、これ、意志の負の感情だよなぁ。

 世界がこんな所に集中して出すわけないし、だからといってこんな代物を只の人間が出せるわけもないしなぁ……。


「なんなんだろうなぁ」


 まあ、だからと言って道のど真ん中でうだうだしてるわけにもいかない。

 取り合えず適当な酒場に入って、宿を取ろう。




 で、まぁ、今回立ち寄った目的は資金集めなわけで。 

 普通にギルドに立ち寄


「おい、あの黒のコートのヤツ……」


「剣と短槍、それと女二人……?」


「アレがうわさの……」


 行き成りなんで噂されてるッ!?

 ひそひそひそひそ話すなッ!! いらいらするだろっ!


「何でこんな噂されてるんですか……?」


「いや、知らないって」


 と言うかうざったい。張ったおすぞそこのハゲ! お前だよッ!


「……貴方と、ウルドが一気にランクアップしたからだと思う」


 ランクアップ? なにそれ?

 ……。ああっ!

 そういや今確かギルドでのランクA+だったっけ。

 意識したこと無かったから忘れてた。


「確か、二つ名も頂いてたはずですけど?」


「二つ名?」


 えーと、そんなもん貰ったっけ?

 確かギルドでも強いやつしかもらえないんだろ?


「殆ど人外みたいになってるのに何言ってんですか……」


「……自分がしてきたことを、振り返るといい」


 何で俺悪いことしたみたいになってんの!?

 まあともかく。


 適当に依頼を探す。

 ん~いいのないな。

 報酬が少ないし、何より依頼のランクが下すぎて、全部取られちゃってる。

 横見るとレイシアもウルドも首振ってるし……。どうしろと?


「――A+ランクの『黒迅』、クレインさんでしょうか?」


「は?」


 だ、誰?

 いきなり誰ですかー?


「……なんでそんなにきょろきょろするの」


「あの、此方です」


 はっ!?

 振り向くと、そこはギルドの受付カウンターでした。


 ……凄く恥かしいんですが。


「あー、やー、えと。何か用ですか?」


 無ければ今すぐに此処から出たい今すぐに速く速く!!

 しかし無情にもその受付嬢のお嬢さんは営業スマイルをもって。


「――貴方様当ての依頼が届いております」


 …………最悪orz


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