表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
加速する現想譚  作者: 無碍
2章 連速
18/38

18th ええと、何この構図

 まあ、簡単な話だけどさ。

 自分自身が請け負う危険なんて、なるべく減らしておきたいだろ?

 それこそ、自分のことだしさ。

 だけど、それがもしも、自分の所為じゃなく他人の所為だったら?

 まあ、普通はその他人を遠ざけるだろうさ。それが普通の反応だし。


 で、結局何が言いたいのとかと言うと。


 俺が救世主ってばれたことでウルドが俺を嫌わないかってこと。


 ……いや、俺が彼女達に依存してるってのはわかってたけどさ。


 彼女に嫌いとか怖いとか言われるのが凄く怖い。

 レイシアはそーいうのを了解して付き合ってくれてるけど、彼女には旅をしてる、帝国へ。くらいしか言ってなかったし。

 俺が悪いんだよなぁ……。


「ああぁぁぁぁ……」


「……なに、溜息ついてるの」


 溜息じゃなくて魂吐きだしてるんだと言って欲しい。

 だってさ、だってさ?

 俺何も言ってないし信用されて無いだろうし嫌われるだろうしああぁあぁぁ……!!


「うん、俺、死にます」


「……そう」


 引き止めてよ!?




 そんな会話をしてるのが現在、帝国の東南端の町、クルス。

 因みにリヴォルグは外で係りの人にお世話されてる。

 ここに宿を取り、宿泊してるわけですが。


「ああもう、ホントどうしよう……」


「……何が」


「いや、ウルドの事だって……」


「…………ああ」


 今何時もより反応送れたね!? 今思い出したねレイシアさんっ!?


「……うるさい。……相談に乗ってあげてるのはこっち」


「はいすみません」


 もう何時もの事ながら弱ッ!? 俺弱ッ!?

 ……レイシアとかと結婚したら必ず尻に敷かれそうだなぁ、俺。とほほ。


「……で、結局タツヤはどうしたいの?」


「いや、元の関係に戻るのは無理だし、最悪キチンと話が出来たら良いなぁなんて――」


「……甘い」


 何が!?


「……何でタツヤは戦いだとあんなに前へと進むのに、私達には消極的なのか……」


「いや、だって……」


 戦いとかは経験が在るから何とか成るけど、俺基本的に友達付き合い少ないしなぁ。

 自身無いです。


「……へたれ」


「うぐッ!?」


 酷いッ!?

 いや、だってさぁ……。


「……だっても何も無い。……さっさとウルドの部屋にでも行って話してくる」


「いきなりッ!?」


 い、いや、無理! 無理だって!?


「……なんで」


「い、いや、それはその……」


「…… な ん で」


 ヒィッ!?


「………………実は、一昨日から彼女に避けられてまして」


「……うん」


「そんでまぁ……俺、嫌われてるのかなって思うと……怖くて……」


「……」


 何も言わない。重たい静寂。

 置いて在る時計だけが音を刻む。


「……へたれ」


 本日二回目ッ!?


「……ほら、行く」


「え?」


 ちょ、何でレイシアさん俺の襟首握ってるのかな?

 あれ? どんどん引っ張られていくよ?

 ってか締まる、締まる締まる締まる締まる息が出来ないっ!?


「……ほら、あがくな」


「~~~~~ッ!?」


 い、意識が落ちる!?




「……とまあ、だから、タツヤと話すように」


「は、はぁ……」


「か、へ……けふっ」


「……あの、レイシアさん」


「……何?」


「その……クレインさん、ていうか、タツヤさん、何か死に掛けてるんですけど……」


「無視」


「……え? 今、レイシアさんが即答した……?」


「……じゃ」


「え、あ、はい」


「か、ふ……」


 取り合えず、ダイイングメッセージはレイシアでいいでしょうかね。

 本気で意識が落ちるかと思った……。


「えと、タツヤさん、でいいですか……?」


「え? あ、うん」


 思わず背筋を正して正座してしまう。

 それを見た彼女も釣られて正座。


 ……なんだこの気まずい空気の構成力。


「えと……救世主、ですよね、タツヤさんは」


「……うん」


 うああああ気まずい気まずい!!

 ……あれ? 何でウルドも頭抱えてごろごろしてんの?


「え、えーと……ウルドさーん……?」


「うあああアタシってば救世主様になんてことをというかなんて言葉遣いをああどうすれば母様に殺される父様に投げられるうああああぁぁぁぁぁぁ……」


 な、何か凄い勢いで沈んで行ってる。

 なんだろう。何があったんだろうかってか凄い不穏な言葉が聞こえた気がするけど気のせいか?


「……もどってこーい」


「ああああぁぁぁぁぁぁぁ……」


 ……。

 戻ってこない。


「もう駄目だあたし死ぬ死ぬ殺されるぅぅぅぅぅぅっ!!!」


「落ち着けっ!?」


 何か本当に危ないぞ!?




「で、えーと」


「……」


 何でウルドさんは土下座してるんでしょうかね。なぞだ。

 じゃないよ!! 何だよこの構図!?

 男が正座して対面の女が土下座って!?


 俺なんかしたか!?


「えーと、ウルドさーん……?」


「申し訳ありませんでした……っ」


 ええー!?

 いや何が!?


「救世主様は世界を救ってくれる人なのに、アタシったら無礼なことばっかり……」


 ああ!? 更に落ち込まないで!?

 床にめり込んでるめり込んでる頭が!?


「いや、顔上げてっ!? てか上げなさい!?」


「はいっ」


 そんな力いっぱいしなくても……。

 まあともあれ。


「救世主が敬われる存在ってことはわかったけど、別に俺は世界を救おうとしてるわけじゃないから」


「……へ?」


 何でビックリっするんだ。

 まあ、普通の反応なんだろうけど。


「只単に俺は、元の世界に帰るためのと、そのあてつけに魔王をぶん殴ってやろうっていうだけで」


 いや本当に。

 何で俺がこんな眼に。

 いや、望んでたふしは在るけど。


「……ツンデレですね」


「……やっとわかった?」


 レイシアいつの間に来てた!?

 ニンジャか君は!?


「……精霊魔術師」


 はい、そうでしたね。

 てかなんで二人ともニヤニヤ笑ってるのか。

 ええい! その笑いをやめぃ!!


「……まあ、こんな人だから」


「ええ。だから放っておけないわけですね?」


 何で頷きあってんだ!?




 結局ついて来ることになったウルド。

 なんか釈然としないんだが?

 てか、俺弱いなぁ……orz

タツヤ(偽名はクレイン

年齢十六。

背は百八十前後。筋肉質な細身のイケメン予備候補軍。

魔術も扱い、実家での武術により他を圧倒する。てかチート。

普通に強い。未だに紋章には目覚めずとも、十分に強い。

フラグ乱立してます。           

レイシア・ウェルス・アーテン

年齢十八。

背は160前後。スレンダーな体系。でも結構胸おおきry

基本一泊遅れて返すのが特徴的な何でもできる美人さん。

個人属性を持たない精霊魔術師。

タツヤに対しての思いは彼女にも作者にも不明。      

ウルド・フェルィア

年齢は十七。

でも身長は141(断言)。でも胸が一番おっきry

なんかちっこい上ちょこまかと走り回りつつ突っ込み担当。

現在は弓と短剣による奇襲・一撃離脱・前衛援護を担当。

なんというか、皆に弄られる。弄られまくる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ