野蛮な世界観
なろうは同じような作品ばかりって点で読者分析をするエッセイが多い。最近これに批判的。何故か?と言うと、好みが反映されてるというより、好みの広がりが阻害されてると感じてるから。システムを変えれば改善できるのじゃないか?と思ってる。転生転移の時の事情を知っていれば、今隔離された転生転移は当時と同じ占有率を保ててるか?
否でしょ。累計ランキングも転生転移が占める率が当時に比べると圧倒的に落ちてる。累計は転生転移と現地主人公が隔離関係なく表示される。それでも全く隔離前とは変わってしまった。
強い好みがあってそれだけに集中している。そんな状態ではない。システム的に好みが分散した結果が何が原因か不明だが阻害されてるからだと私は見ている。多くの読者分析は独占状態から強い読者の好みがあるとして、読者の気持ちを代弁しようとする。私の見方は全く違う。そんなに強い好みじゃないのに、他の好みが反映されるのが阻害されてるだけだと見ている。
そのため、なろうと外を比較して、どこがなろうだけの偏った強い好なのか?を独自に分析している。それは単純なランキングからの分析ではない。以前それらについて書いた。その中で、自己投影から俺TUEEEの人気は本物だと書いた。それなら何故現代ものでそれが生じないのか?
ここで異世界ファンタジーの偏りは実際はそうでもなくて、ゲームから慣れからくる好意とシェアワールドだと見た。それゆえ世界観が違う現代ものでももっと溢れるはずじゃないか?と見て、その理由をネタ被りに求めた。
実際はそれだけじゃないと思う。過去に書いたファンタジーを求める現代人って視点がやっぱりある。
なろう読者は文明退化の世界観を求めてる。何故か?と言うと、これが俺TUEEEに深くかかわってる。様々な事を暴力で解決するシンプルさを楽しんでる。なろう読者が暴力的で攻撃的ってわけじゃない。刺激としては確かに攻撃的な刺激は漫画アニメを通じて高い人気がある。
だがなろうが独特なのは、単純な分かりやすさにある。これらのヒントになったのが水源さんのLEVELを上げて強くなるって話になる。ゲームファンタジーの要素達はさらに単純な物語を提供している。
一見ファンタジックな設定が多くて複雑な世界観に見える。世界観は複雑になるのだが、これ現実が持つ複雑さをものすごく単純化してしまう。それを誤解を招くのを承知で書くと暴力で様々な問題を解決してしまう世界観となる。これに必須なのが文明退化になる。社会が複雑になったのはここ数百年で、それなりに長い間剣や弓などの武器や騎馬戦闘が当たり前に長く続いていたと思う。
実際細かく細かく、様々なものが進化していって、印象とは違って100年単位で細かい部分は変化していってる。だが現代文明が生み出す様々な道具の豊富な発展からすると速度が恐ろしく遅い。
自分が生きてる間に電話が携帯になってスマホになっていく。電話の時代どれだけ長かっただろうか?その電話の発明すら、過去はこのような情報伝達手段はもっと劣ったものが何百年も続いていた。正確ではないが、ある程度中世欧州ファンタジーってのは現代感覚からすれば間違ってない。おそろしく現代から比べると発展速度が遅い。
文明退化のイメージはある程度間違ってない部分も多いと思う。そしてそれらは今から考えると暴力的な世界観が長い間普通だった点にある。暴力による社会的ヒエラルキーがあったか?なら、ある程度あったと思う。王様はそうじゃないだろう?となるが、王様のルーツの大半は武装集団による集団支配が大半である。
これらと世襲が関わるとややこしくなるだけで、文明退化の世界観は暴力と馴染みが良い。これだけだと、現在はなじみが悪いから選択されないとなる。それだけじゃない、そこに対するシンプルさへの好みってのが多分ある。それらがレベルシステムともかかわっていると思う。
これは盲点だった。一見ファンタジックな設定が複雑だからだ。だが社会構造としてはとても単純だ。何故か?非現実的だからになる。実際こんな社会なら多分成立しない点がわんさか出る可能性が有る。社会構造そのものが全く違うが、それを押し通せるのはやはりシェアワールドの部分だろう。
ゲームの面白さの1つの面に、現実を無茶苦茶単純にしてしまう部分がある。スペック的に過去単純にせざる得なかった点でデメリットの方が分かりやすい。だが将棋とかチェスとか大体現実の戦争を単純化して新しい面白さを作っている。あれは情報処理の問題だけじゃない、新しい面白さを単純化によって作っている。
本当は違うんだけど、これはこれで面白い。そんな将棋チェスみたいな世界観がなろうファンタジーかと思う。
当然現代社会で怒る問題をすべてすっ飛ばせる都合の良さも文明退化社会にはある。だが、私はこのゲームによる単純化の面白さと言うのがあると思う。結局ゲームを土台としたシェアワールドの部分だと思う。
漫画アニメと比較するとなろうについて割合に違和感のある中世欧州ファンタジーだが、これがRPG的要素のあるソシャゲとかだとグンと割合が高くなる。なろうのそれらの割合は多分漫画アニメじゃなくてゲームの割合に影響を受けてる。
ネタ被りも重要だと思うが、異世界ファンタジーが持つ文明退化は、暴力を中心とした世界観に都合がいいのと、そのシンプルさに対して好みがあると見ている。で、大事なのはこれだけだと何故中世欧州ファンタジーなのか?に疑問が出る。やっぱりこれはRPGがベースになってるからで良いと思う。