人間の創造
拠点に戻った俺は以前創った鏡の前に立ち、自分のステータスを確認した。
「おおっ!」
レベル:20
どデカい親分を含めクモを倒しまくったおかげでレベルが20にまで上がっていた。
(死ぬ気で闘った甲斐があったな。)
つまりこれで一日あたり20キロまでのものを創れるようになったというわけだ。
かなり出来ることが多くなりそうだ。
ところで、さっき皮膚や血液を創って自分を回復させた時にひとつ思ったことがある。
それは·····『人間の創造』だ。
皮膚も血液も創れるのなら、もしかしてもしかすると人間も創れるのではないか·····と俺は考えたわけだ。
ただ臓器とか脳とか魂とかそういったものまでイメージが必要だということになるとなかなか大変そうだ。
(でも銃だって適当なイメージで自動リロード機能まで付いてきたしなんとかなるかも。)
まあ考えるより行動だ。
まずどんな人間にしよう。
20キロまでとなると小学一年生くらいだろうか。
男児だとわんぱくだったりやんちゃだったりでストレスになりそうだし、最初は大人しい女の子の方がいいな。
イメージするのは女の子にしよう。
俺は右手を前に出し手のひらを地面と垂直に広げ頭の中でイメージした。
いや、待った。
そういえば、さっきの皮膚や血液を創ったせいで創れる重さが減っていたんだった。
明日にしよう。
-- 翌朝 --
「よし。早速やってみるか。」
昨日と同じように右手を前に出し小さな女の子のシルエットをなんとなくイメージした。
なんだかこれまで以上に脳が揺れ、全身の力が吸い取られていくのを感じた。
やがて脳が締め付けられるような感覚に襲われたと同時に視界が暗くなり、そのまま気絶してしまった。
「a#_@i!! ar@#_ji!!」
何か声が聞こえてくる·····
「あ#_/&!! ar#_&じ!!」
なんて言っているんだろう·····
「あるじ!あるじ!」
!?
はっと目を覚ますと、明るい金髪のロングヘアに黒いリボンをつけた少女が心配そうな顔で俺の体を揺すっていた。