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転生先でゲーム脳をフル回転する話  作者: 外付けうち窓
第一章 チュートリアルでフル回転
9/12

番外編 ミニゲームでフル回転 蓮の葉と飛び石

本編と関係ない話です。ミニゲームは息抜きにぴったりです

 今日はやらなきゃならないことはなし、依頼掲示板に貼られているものも俺がやれそうなものはなし…暇な一日になりそうだ。


「とりあえず………武器屋見て道具屋見てめぼしいものでもあれば買ってかなぁ」


 今日の予定を立てながら酒場の外に出ると、ギガスと鉢合わせた。


「お!トーシロー!丁度いいところにいたな!」


「ギガスさん…その呼び方はやめてほしいんですけど…」


「なんだ?正式な名前が決まったのか?」


「いや…まだですね」


「ならトーシローだな!アッハハハ!…とそんな世間話がしたいんじゃなくてな。トーシロー、今暇か?」


「暇かどうかと言われると……大分暇ですね」


「お!それは丁度よかった!今からちょっと面白い場所に行かねーか?」


 ………


 ギガスに連れてこられた場所は、ちょっとした川だった。


「あのー、ここに何があるんですか?」


 尋ねてみると、「もう少しで時間になる」とだけ言われ、詳しいことは説明してもらえなかった。


「………そろそろ来るぞ」


 川に着いて十数分、ギガスが指さしたほうを見ると、川上のほうから幾つもの蓮の葉が流れてきた。


「あれが面白いものですか?」


「いや、あれがこの辺で止まってからが面白いんだ!」


 少し待つと、目の前で蓮の葉が幾つも止まり、向こう岸に蓮の橋が出来上がった。


「簡単なルール説明をするぞ!使える列は三列、蓮の葉を落ちないように乗り継いで向こう岸に渡るんだ。大きくて緑色した奴は安定するが、小さくて枯れかけのやつはすぐに沈むから飛んでく先をしっかり見極めていくのがコツだ。そんじゃいくぞー!!」


 それだけ言うと、ギガスは蓮の葉に飛び込み、次から次へと乗り移っていく。


「すげぇな、ステータス的には素早さ一番低いはずなのに…」


 そんなことを考えていたら、ギガスはいつの間にか向こう岸に渡っていた。


「おーい!なにしてんだー?ビビらずバッと飛んでみろー!」


 別にビビってる訳ではないんだが…まずは深呼吸して落ち着け…何事もやってみなければどうなるかわかったものではない。失敗する気で…


「突撃あるのみ!!」


 まずは最初の蓮に乗った。ある程度揺れるが、すぐに沈む訳ではなさそうだ。だが小さい蓮ではそうはいかないだろう…


「先をみながら…ほっ!」


 二つ目の蓮に乗る。さっきのより小さめの蓮だった。ぐらつきが大きい。


「とっとと、次はどこだ…?」


 三つ目、四つ目と飛び続ける、そして五つ目。両脇に蓮があり、真ん中には足場がなかった。


「よし、脇に逸れて…あっ!!」


 反射的な行動だった。足場一つ飛ばして行けると勘違いをし、見事に川の中に吸い込まれてしまった。


 ………


「アッハハハハ!びしょ濡れじゃないか!!まあ最初は誰でもそんなもんだ!めげずに頑張れよー!」


 結局、あの後何度か挑戦したが、向こう岸には渡れなかった。


「今日はもう葉っぱは流れちまったが、明日また何かしらは流れてくるからその時にリベンジだ!」


 濡れた肩をバシバシと叩かれ励まされる。………これは久しぶりにクリアしたいという熱い感情がメラメラ燃えている。


「………よっし!!また明日リベンジだ!!ぜってークリアしてやる……」











 次の日、また暇だったので今度は自分からギガスを誘い、例の川にやってきた。


「さーて、今日は何が流れてくるかな~?」


 そう言いながら、ギガスは川上の方を見ている。


「え、流れてくるものって毎回おなじじゃないんですか?!」


「ああ、でも蓮の葉は結構な頻度で流れてくるから再挑戦の機会はすぐに来るはずだぞ…おっ、今回のが来たな!」


 その言葉を聞き、流れてくるものを見てみる。流れてきたのは…人一人乗れそうな大きさの岩や亀だった。


「あぁ惜しいなぁ。今回は葉っぱじゃなかったなぁ…ってどうした?固まって」


 目の前で並んだ岩を見て、懐かしい気持ちが沸いてきた。子供の頃、やっていたゲームのミニゲームにこんなのがあったのを思い出す。


「それじゃ、今回のルール説明だな、今回は…」


「一列に並んだ石の上を飛んでいって向こう岸に渡ればいいんですね?飛び方は一個飛び、二個飛びの二種類、四人同時にスタートして最初にゴールした人の勝ちと…」


「いや、今は四人もいないだろ…」


 ギガスが言い終わるか終わらないかのタイミングで飛び出していく。


 一個目の岩を飛び越え、二個目の岩に着地する。三個目の岩も飛び越え四個目に、五個目も飛び越え六個目に…続く七個目の岩の先にはあるはずの八個目の岩がなく、飛んで九個目の岩があった。このまま二個飛びでいけば川に沈むだろう。ここは一個飛びで七個目の岩に乗り、ここから二個飛びで九個目の岩に飛び乗る…それを続け、どんどん進んでいく。体に馴染む感覚を覚えた。これだ、昔よくやっていたこの感覚。途中岩が二つ抜けている場所もあったが、浮き沈みしていた亀に乗り、そこから飛んで次の岩に渡っていく。


 体の中を、懐かしさが駆け抜けていくのを感じる…名作はミニゲームも楽しい思い出になるものだと実感する…


「昨日の葉っぱのときと動きが随分違うなあいつ…」


「ふーんふーんふふふーんふふふふふふふーんふーんふーんふふふーんふふふんふんふんふんふんふんふーんふーんふーんふふ…」


 鼻唄を歌いながら飛んでいくと、あっという間に向こう岸に着いていた。少し待っていると、ギガスもこちらがわに渡ってきた。


「お前昨日とは別人みたいな動きじゃないか?!どうしたんだ?!」


「いやーこれ昔結構やってましてね、懐かしい気分ですよ」


 頭を掻きながら答える。ギガスは「昔から…?」という顔をしていたが気にせず二週目を始めた。


 ………


 結局、岩が流れていくまでに十数回も往復していた。やはり久々にやるととても楽しい。こういうミニゲームはもっと増えるべきだ。


番外編終わり

似たミニゲームでは操作が混ざるもんです

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