始まる前の始まり
よくあるテンプレ通りに主人公が異世界に転生しますよ~ってだけの、繋ぎ回です。
今、俺は神様と呼ばれる存在と差し向かいで座って話をしている。
何故、こんな状況に自分が置かれているのか、ハッキリ言って、よく分からない。
普通に仕事から帰ってきて、普通に飯を食い、普通に風呂に入り、普通に寝たら、この状況に置かれていた。
最初は夢なのかと思ったが、神様が言うには夢では無いらしい。
「いや、ほんとスマン、まさか今時《山田太郎》なんて名前の20代の男が、日本に生きてるとは思わなくてな」
と神様の弁。
そうだな、賢明な読者諸君には詳しく語る必要もないだろう、俺は同姓同名の俺とは違う山田太郎さんと間違われてしまったらしい。
まぁ、起きてしまった事は、とやかく言っても仕方ない。
しかも相手は神様だ、下手に調子に乗って、上から物を言って機嫌を損ねたら、何をされるか分かった物じゃない、ここは1つ穏便に解決してもらえば、何も文句なんて無いさ。
「そうなんですか……まぁ、納得出来ない部分もありますが、無かった事にしてくれれば、私としては何も問題は無いですよ」
俺は神様に、間違えたのなら、生き返らせて欲しいと、当然の要求をした。
「それがな、お前の身体はもう焼かれてしまって無いんじゃ、だから代わりにワシが地球とは別に管理している世界へ転生させてやろうと思うのだが、どうじゃ?」
まぁ、そうですよね、そのパターンが当然来ますよね。
「1つ確認させて下さい、それじゃ、別の身体でいいから地球に転生を……ってのは無しなんですよね?」
「無しじゃな」
ですよね、そうだと思って聞いてみただけですから、こっちも。
「それで、転生する世界って言うのは、剣と魔法とスキルのある世界なんですよね?パターンから言って」
神様の言いそうな事を、先回りして言ってみると神様は、ただ頷いた。
正解らしい……。
「それでじゃ、お詫びに、お前に沢山の能力を授けて転生させてやろうと思う」
「どんな能力かは、向こうで確認すると良いのじゃ、それでは次の人生に幸多からん事を願っておるぞ」
そして俺は、ある意味、お約束通りに転生する事となった。
「そうそう、その世界はお前から見たら、ファンだジーのような世界じゃが、そこに住む者達には、紛れもない唯一の世界だと言う事を忘れずにするのじゃぞ、そしてその世界も地球も同じように、ワシが神として管理している以上は、価値観や倫理観も、そう大した違いはないのじゃ」
その言葉を最後に俺は、新しい世界で新しい人生のスタートを切る。
それじゃ、いってきま~す。
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