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始まりの終わり

序章のみ、シリアス風に書いてますが、基本ギャグ作品です。次話から文体が、ガラリと変わります。

 今俺は、領主の住む小城前に広がる噴水広場に、急遽設けられた、とある設備を見上げ佇んで居る。


 ふと……左手の方向を見ると、数日前まで暮らしていた、真っ白な壁と深い青色の屋根が特徴的な領主家族が住む城が見える。


 「ずっと幸せが続くと思ってたんだけどな……」


 そんな呟きが自然と口から、こぼれ落ちた。


 城の建っている反対、右手方向に顔を向けると、領民達が老若男女に関わらず沢山詰め掛け、設備を取り囲むように立っていた。


 領民達は口を揃えて、俺に向かい何やら罵声のような物を浴びせ掛けてきているが、今の俺には、明確な意味を持った言葉として伝わって来ない。


 俺の脳が意味のある言葉として、伝わるのを拒否しているのだろう……。


 何故こんな事に……。


 何故俺は今ここに……。


 何処で間違えた……。


 そんな後悔しか無い胸の内に、自問自答をただただ繰り返していると、華美な装飾の施された金属鎧に身を包み、そんな耀びやかな鎧とは対極の位置にあるような、何の装飾もされていない武骨な長槍を手に持つ兵士が、俺の両脇に立ち俺を固めている。


 そんな兵士に促されるまま、俺は広場に設けられた設備の1番上に昇る為の13の段差がある階段の1段目に足を降ろした。


 ギシリ……ギシリ……。


 と、1段昇る毎に鳴る段差の板を踏みしめ、昇りきった先、真っ先に俺の目に入ってきた物は、太い1本の縄だった。


 縄の先には人の頭がスッポリと、潜り抜けられる大きさの輪が作られている……。


 そう……。


 俺は今から、領民達が見守る目の前で、絞首刑に処されようとしている。


 兵士に追い立てられるかのように、ぶら下がった1本の縄の前に立たされた俺。


 兵士は無言のまま、何処か神秘的な儀礼を行うかのような、厳かな顔付きで、淡々と縄の先に作られた輪を俺の首へと掛ける。


 全ての準備が整ったのだろう、壇上の端に立っていた、司祭服に身を包む初老の司祭と、この国の貴族用の礼服に身を包んだ、20代前半ぐらいの年齢の男が、俺の側へと歩いてきた。


 初老の司祭は、自分の胸の前で聖印のような物を手で表すと、俺に話し掛けてきた。


 「悪魔よ、汝の犯した罪は人の世でも、また神の世でも、決して許される事の無い行為である、よって汝の命を持って罪を罰する、許されるなら、神の元で悔い改め、神に許され、神の(しもべ)として、人の世に還ってくるがよい」


 その言葉が終わると、司祭は1~2歩後ろに下がった。


 そして、司祭と入れ替わるように、貴族用の礼服に身を包んだ男が1歩進み、腰に付けていた、剣を抜き放ち、高らかに掲げ持つ。


 その男は、俺の顔をしばしの間見つめ静かに目を閉じると、次の瞬間、剣を降り降ろした……。


 それが合図だったのだろう、俺の足元の床が抜け、俺は重力に引かれ抜けた床の中へと落ちていく。


 俺の首に掛けられ縄が絞まり、俺の呼吸を奪っていく……。


 そして……。


 俺の命の灯が消える瞬間、俺は、俺の身に起きたこれまでの事を、まるで走馬灯を見るかのように、思い出していた……。


 どうしてこんな結末になってしまったのかを……。

1回ぐらいは、日間ランキングの100位圏内に奇跡でも起きて載らないかな?なんて考えてる、ド底辺作家の夢に、ご協力を。

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