表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/30

5 入れ替り 仁サイド その5

「 間に合った。」


俺は、ショーツをおろして便座に座った。力むとおしっこが出てくる。

家じゃ気にしないでいたけど、ジョボボって音が凄いな。絶対音が外に聞こえてる。

そうだ、水を流してみるか。直接レバーに触れるのは、何か嫌だから、トイレットペーパーを持って流してみた。

ジャアアという音で、おしっこの音は消えたけど、水がもったいないな。


「 ふう。」

トイレを終えて、手を洗って出てくると、まわりの女子がヒショヒショと、俺を見ながら話してる。

何か、あんた言ってきなさいよとか聞こえくる。なんだよ、言いたい事があるなら、はっきりと言えよ。

俺は、そんな事を思いながら、ヒショヒショ話をしてる女子の前を通りすぎようとしたら、一人の女子がこっそりと耳打ちしてきた。

「 ものすごく言いづらいけどね。あなたスカートの裾が、ショーツに挟まってるの。」

「 へ?」

なんの事じゃろ。俺は、スカートを見る。

のおお。なんという事でしょう。スカートの裾がショーツに挟まって、ぱんつーまるみえーな状態じゃありませんか。

にょええ、穴があったら入りたい。

俺は、赤面してスカートの裾を直し、教えてくれた女子にお礼を言って、そそくさと逃げた。


「 ああ、恥ずかしい。」

「 どうしたの?」

机で臥せってると、心配そうに、長谷川が覗いてきた。

「 いや、あんね。」

俺は、長谷川にさっきの出来事を話した。

「 なんだ、そんな事か。」

「 なんだって、俺めっちゃ恥ずかしかったんじゃけど。」

「 ごめん。でも女子は、経験してる人多いんじゃないかな。」

「 そうなん。」

「 少なくとも、私は、二・三回目撃してる、言いづらかったけど、本人に言った事ある。私も一回あるしね。中学の時にね。下に短パン穿いてたけど、恥ずかしかったなあ。」

長谷川は、苦笑いしながら話した。

意外と結構経験してる人多いな。前は、女子のパンチラに出くわすと、パンチラ万歳とか思ったけど、実際に見られる方になると、嫌なもんだな。

今度から、パンチラ万歳とか思いません。


そして、そのまま何事もなく放課後。

「 結局トラブルらしい。トラブルは、起きんかったなあ。俺としては、安心出来るけど。」

もう、女子の体は勘弁だ。今日みたいなプチトラブルだけでもうんざりなのに、このまま長期間入れ替わった状態とかありえんし。野郎に告られるとかされたりしたらたまったもんじゃないしな。

俺がそんな事を考えながら、歩いている傍らで、ひなは、ぶつぶつ文句をたれていた。


「 つまらん。もう少し入れ替わっとりたい。でも、そろそろタイムリミットじゃしね。別の魔法使ってみようかな?」


なんか聞こえんでいいセリフが聞こえてきたし、俺はひなをジロリと睨む。


「 何ブツブツ言うとんね?またいらん事を考えとりゃせん?」

「 別に~ 何も考えとらんし。」


ひなは、口を尖らせてそっぽを向いた。

嘘をつく時のこいつの癖だ。

まぁいいか、明日の朝には元に戻っとるんじゃし。そうすりゃ、またいつもの日常に戻れる。

その時の俺は、そう思っていた。けれど、このTS騒動は、俺の体に変化が起こる一つのきっかけにしか過ぎない事をこの時の俺は知らなかった。

入れ替り編の仁バージョンのお話は終わりです。

ひなバージョンを数話載せてから新章に移りたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ