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3 入れ替り 仁サイド その3


「 今まで気づかんかったけど、けっこう汗かいとるし。」

今は5月の終わりだから、長袖で歩いてきたせいだろう。着てるセーラー服の袖が肌にくっついて気持ち悪い。


俺は、洗面所兼脱衣場に入ると、上着を脱ぐと白い半袖のTシャツになる。――あの噂はマジだったのか。素肌に直接セーラー服を着るのは、よろしくないからTシャツを着ているという話は聞いた事あったけど、漫画みたいに、すぐにブラとご対面という訳じゃないらしい。

少し期待していた俺は、がっかりしながら、スカートも脱ぐ。ホックを外すのに手間取った。脱いでやっぱりがっかりした。

スパッツだった。まあ、パンチラ対策なんだろうけどな。

女子の裏事情に少し触れて、がっかりしながら、俺は、Tシャツ、スパッツ、ブラとショーツを脱いだ。ちなみに、ブラとショーツは、俺が想像するような華やか物ではなく、色気も素っ気もない、スポブラにボクサータイプのショーツだった。


「 人の裸を見とるのに、一向に変な気分にならんのは、どしてじゃろ。」

俺は、そんな事を呟きながら、鏡に写った裸身を観察してしまう。

程よい大きさの胸を見ても下を見ても、全然変な気分にならない。なんというか、エッチな本を見てるというよりは、生物か保健の教科書を読んでる気分だ。

ひなの体に入ってるせいだろうか?

実家にいる頃、双子の妹 雫が、「 下着忘れとった」とか言って、風呂場から素っ裸で部屋に飛び込んでくる事があったけど、その時はあわてて部屋から飛び出したもんだけどな。まぁいいか。


俺は、浴室用の椅子に座り、洗面器で浴槽からお湯をすくって、髪を濡らした。

ちなみに、この家のシャワーは故障してる為、浴槽からお湯をかけるしかない。

何度かお湯をかけてようやく髪全体が濡れた。いつもだったら多分こんなに、お湯は使わずに濡れるはずだ。

先ほど、ひなからのメールで読んだ通りに髪を洗っていく。

シャンプーで丁寧に洗ったあと、一度ながしトリートメントをつける。

洗面器で何度もお湯をかける。そうしないと、なかなか泡やトリートメントが、流せない。長い髪の手入れは大変だ。


髪の次は体だ。ボディソープをしっかりと泡たててから、ゆっくりと洗っていく。

胸や股も洗っていくけど、先ほどと同じで、やっぱり、変な気分にならない。

お湯をしっかりかけて、浴槽に浸かった。


「 しかしな、せっかくひなの体に入ってるに、ちっとも、嬉しくないんだよな。TS物の入浴シーンって、もっとドキドキするもんじゃなかったか? ラッキースケベにどぎまぎしながら、体を洗うとかな。」

俺は、一人そんな考察を述べてみる。

ひなの体で、風呂に入ってもいつもと違う感覚に戸惑うくらいで、あとは普通に体を洗ってたな。

なんつうか、飯を食うのと同じくらい当たり前な感じだな。

俺は、なんか納得出来ない気分で、風呂から出たのだった。

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