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ある日の短髪と三つ編み

作者: カカカ
掲載日:2015/09/23

「浅草やー!!」


 短髪で活発そうな関西弁の女子高生が、両手を振り上げ、心底楽しそうに声を上げた。

 そんな彼女の頭を、凛として静かな雰囲気の三つ編み女子高生が叩く。


「もう少し落ち着きなさい、恥ずかしい」


 母親のような台詞を口走る、その三つ編みは少々呆れ顔だった。

 けれど短髪は、そんな小言もどこ吹く風。マイペースにちょろちょろと動き回る。


「そんなことより見て見て!なんか有名なお寺さんやで!」

「浅草寺ね。ちゃんとパンフレットに…」

「あ、これテレビで見たことあるわー。ホンマにでっかい提灯ついとる!」

「それは雷門といって…」

「なにこれ、あまぁい!!」

「それは人形焼…っていつの間に買ったんですか!?」


 あまりのマイペースさに、三つ編みの少女は呆れを通り越して、驚きの表情を浮かべる。

 が、すぐに気を取り直して説教を開始した。


「というか人の話を聞きなさい!きちんと事前知識を持って観光を…」

「あっ、煙のやつや!」


 たっぷり燻されたるで!と煙立ち上る香炉に駆け寄り、思いっきり深呼吸。


「ぅげほ!?げほごふ、げほぁ!」


 当然ながら短髪は、女の子にあるまじき表情で、周囲の人が引くほど咳き込んだ。


「まったくもう、成長がないんですから。この前の旅行でも貴方は…」


 しかし三つ編み少女は、「自業自得です」とバッサリ切り捨てて、涙と鼻水だらけな相手の様子にも頓着せず、


 マイペースに説教を続けるのだった。



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