MC
人類は再び戦争を始めようとしていた。先の大戦で国家が市場を独占し世界を動かようになり、いくつかの企業はギリギリの中を生き延びつつあった。しかし、ある兵器の誕生によってその均衡が少し傾いた。それは、人型のロボット兵器マシニカル・コア通称「MC」である。財閥から発表されたその兵器は今までの戦車などの戦闘力を凌駕するものであり、その一体だけで戦争の流れや結果が大きく傾くほどであった。財閥はそれを国家といくつかの企業に2体づつ配った。それぞれ「MC」を基盤に開発をし始め、あるところは量産にそしてあるところは武器になど各々がそれなりの成功を収め、絶大なる力を持ち合わせた。そして、企業は連合を組み国家に挑んだ。しかし、その結果は国家を衰退させることは出来ても滅ぼすまではできなかった。逆に企業側も崩壊や合併を繰り返し、6社にまで減るという結果になってしまった。その裏では財閥が大量に手にした戦闘データを元に動き始めていたが気付く人は誰もいない…
月日は流れ、9年後
「依頼の内容は敵の排除です。旧型のMCは数機見受けられますがそれほどの障害ではないでしょう。今回の依頼の結果によっては贔屓にさせて頂くかもしれません。良い知らせを期待しています。」
と女性の声がモニターからマッピング情報とともに聞こえる。彼女の名前はわからないが、企業バームの仲介役と聞いている。まぁ、特に興味もないしマッピング情報を眺めていると背中に軽い衝撃が走った。振り返ると妹マリー=セントがいた。
「どうした?」
と聞くと
「兄よ、暇だしいつもより少し豪華な料理が食べたいから早く終わらそう。」
と真顔で言ってくる。
はははと少し笑いながら
「おいおい、もしかしたら今回の依頼で俺は死ぬかもしれないんだぞ?」
と言ってみると、妹は表情を変えぬまま
「大丈夫、私が支援すれば死ぬことはない。」
と言ってきた。
「そいつは頼もしい。」
という言葉とともに妹の頭を撫でた。
「さてと…行くか!」
俺たちは地下を出てヘリで移動し始めた。地上は長い大戦の中で汚染され住める場所は極端に減った。そこで、人類は地下や海、そして空へと住む場所を移した。地上には国家と6社の企業があり、海には衰退した企業の寄せ集めが暮らし、地下はいわゆる何でも屋で稼ぎをしている奴らが住んでいた。
「MC」は一応は誰でも乗れる兵器だ。俺の場合はある人からの貰い物でその人から操縦の仕方も教えてもらった。財閥に頼めば容易に手に入れることもできるらしいが何か条件を突きつけられるとも聞く。国家や企業は専属のMC乗りがいる。だが、そのMC乗りにあっちこっち仕事をさせていたら自分の領地が危うくなってしまう。そこで、俺たちの出番という訳になる。そうこうしてる間に目的地に着いた。既にMCに乗り込んでいる俺は
「よし、ここでいい降ろしてくれ。」
と妹に頼む
「了解、位置情報だけは連絡します。ご武運を」
と直後投下された。
少し落ちたところでブースターを点火、障壁を展開しいつもの武装かを再確認首を鳴らしてブースターを切った。ヒューっと音を立てて再び降下する。着地の寸前で前方に進むようにブースターを強く起動させた。ガチャン!と関節部に負荷を出来るだけ与えないように着地…我ながらよくできていると思った瞬間何かが飛んできた。サイドブースターを起動させ避けた。恐らく遠距離射撃。ちょっと驚いたがすぐさま冷静になりマップを確認。マリーの情報は本当に頼りになる。仲間の識別信号以外をキャッチし、その敵との距離や高度の違いすらわかってしまう。すると無線が入る。
「上手く着地出来たようですね。敵は7機どれも地上戦を考えられて作られているようでジャンプは出来ても飛べません。武装もちんけなもので遠距離射撃だけを注意して殲滅してください。」
「流石、優秀な妹を持つと楽だ。」
と褒めてみたが
「・・・」
無反応…まぁ、めんどくさい遠距離タイプから壊して行こうと思い少し空中に浮かびブースターを完全に開放し起動。少しずつこちらに歩いていた旧MCを無視して遠距離タイプに一気に近づく。そして、両手に付いているマシンガンとガトリングを背後から数秒撃ち続ける。すると火花が散り、動かなくなった。その横に2機並んで構えを解こうといていたMCがいた。マシンガンとガトリングだと2機同時に破壊は難しいと考えマシンガンを捨て、あいた手で素早くブレードに持ち替え2機同時に切り裂いた。
(残り4機)
ブレードを再び収納しマシンガンも回収そして、遠距離用の武器を敵から拝借し狙いを定めて…ギャイン!ギャイン!ギャイン!全弾命中。だが、弾が切れてしまった。仕方がないので再びブースターを起動して一気に近づき、蜂の巣にした。
「依頼の内容は達成です。さて帰還しましょう。」
ヘリを近くに降ろしてもらいMCを格納して俺たちは住処へ帰って行った。
「・・・どう思う?」
「どうって言われてもね…まぁ、それなりにはやるとは思うな。」
とノイズがかっている会話
「まぁ、面白い素材だと思うから少しだけ可愛がってあげようか。」
「次の依頼を遂行してる時にあれをあげましょうか。」
「それがいいね。」
「ははは、面白くなってくれよ。英雄の弟子よ」
「そ・う・・・・・」
とノイズがひどくなり会話は途絶えた。
地下に帰ると何でも屋の本拠ギルドからお金が送られていた。
「よーしパーっと行くか〜」
「うん、ステーキが食べたい!」
「流石にあんなに高価なものは食えないなー」
「ちっ…可愛くしてもダメか…兄はケチだな。」
と兄妹の会話は地下の商店街の中に消えていった。しかし、これから、この兄オルテガ=セントが最悪のMC乗りとなり、この世界を滅ぼしかけるなど誰も知る由もなかった。
fin
最後の終わり方をやってみたかったので少し考えて作ってみました。初めての投稿ですのでお手柔らかにお願いします。




