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事務所で打ち上げ!!

「シュクレガトーの事務所って意外に近いところにあったんですね………。」

「そんなものよ。某アニメでもうどん屋さんの上にあったじゃない。」

「いやいや………。まぁ、ここも位置関係は意外にもほどがあるような……。」


右隣にはケーキ屋、左隣には銭湯(なぜか入り口か無い)、歩道橋が目の前にあり、向かいにはコンビニ……。

なんだか便利なところのような………。

「ちなみに銭湯はシュクレガトーの人しか使わないわね……。ここ報道規制一応入ってるし、入り口は私たちの事務所からしか行けないし………。まぁ、閑古鳥鳴いて閉鎖するところを叔父さんが買い取ったからね………。とはいっても、叔父さん入ったこと無いらしいけど。」

「それよりも中に入りませんか?立ち話よりも、座って話した方が………って、まだヘルトさんに自己紹介してませんでしたね……。私、縁樹ゆかりき 花音かのんといいます!!助けてもらって、本当にありがとうございました!!」

花音ということは、今度のドラマはこの子と出るのか………。


とりあえず受付っぽい所を通り抜けて、階段をあがり、事務所に着いた。

事務所については、きちんと整頓されており、ホワイトボードと事務の仕事場っぽい所、接待するためのソファ、そしてアイドルたちの休憩所に社長席という、某アニメのような事務所だった。

まぁ、『風呂』と、『仮眠室』と書かれたドアが、ホワイトボードの横にある。多分そこから風呂に行くのだろう。


「じゃあ、まずはお風呂に、このシャンプーで洗ってね。そうじゃないとスプレーはとれないから。」

「分かりました……。そういえば、どう行けばいいんですかね?」

「この階段を下りてすぐよ。あ、シャンプー渡しとくわね。後、着替え用意したいんだけど……。」

「あ、これあるので大丈夫です。さすがにそこまでお気遣いいただくわけには……。」

今日着るはずだった『美少年鎮火隊』のコスプレ衣装だ。

まぁ、下着は持ってきていたので問題はない。なんで持ってきていたか?終わった後にコミケの近くのスパに行こうって話になっていたからだ。参加者なら無料で使えるらしいし、汗くさいまま帰られないようにと配慮されていたからだ。後、ランドリーも使えるところなので着てきた服を入れようかなぁと思っていたのだ。まぁ、さすがに下は変えようと、いうことで持ってきたのだった。

「あ、じゃあ夕食をここで食べていかないかしら?アイドルの心得も教えておかないといけないし………。」

え~っと、恋愛禁止とかかなぁ………。それだけならいいけど学生以外の副業禁止だったら困るなぁ………。トーンやらないといけないし……。

そう思いながら風呂場に向かった。



かっぽーんと、音がするように、もう風呂に入っている状態である。

元銭湯の名残なのか、かなり広い。100人はおおげさもしれないが、そのくらい入る気がする。洗い場もかなり多い。

…………なんですぐに終わりましたと場面転換しないのだろうか?

そう思いながら、専用シャンプーを使い、スプレーを落としていく。鏡をみると、見慣れた灰色の髪が見える。

「………なんでこの髪、水を含むとはねるんだろうなぁ………?」

昔はこれを直そうと努力はしたが、諦めることにしたことを思い出す。今思うとかなり無謀な期間だった。



さて、風呂から上がり、コスプレを着替え代わりにして、そのまま事務所に上がった。

そして、携帯を操作して、妹に、今日の晩はいらないとメールした。


「今日は三人しかいないけど打ち上げするよ~!!」

「え~っと、大丈夫なんですか?こんなに……。」

「大丈夫。ここのケーキすごく美味しいから!!」

まぁ、牧村さんと……なんて呼ぼう?

「そういえば、あなたのことはなんて呼べばいい?」

「ふぇ?え、え~っと………か、花音と呼び捨てで………。」

「じゃあ、花音。今度のドラマ、頑張ろうな………。」

元々は今日デビューするのは花音だったのにな………。

少し罪悪感がある。

託された後とはいえ、俺は、人から夢を一時的にでも奪ったのだから、そりゃあ、積もってもしょうがないことなんだ。



とりあえずケーキを食べる。落とさないように………。

貰い物に近くなっているけど、もらった初日に汚したと言えばトトが泣きわめくだろうし。

ちなみに、食べているのはショートケーキのホールだ。

苺が甘すぎず、生クリームを引き立てている。

まぁ、男だからと言われ、二分の一も食べることになったが、多分家に帰るまでに消化できるだろう。


「そろそろおいとまさせてもらいますね。妹に心配されますし………。早く心愛みるくさんの新作読みたいですし。」

心愛みるくさんの今回の作品は、表紙をみる限り怪人戦記の雅×玉津だ。

俺はこの組み合わせも気に入っている。


「あ、ヘルト君。帰ったらこれも読んでおいてね。アイドルの心得。」

「分かりました。」

こうして俺は、アイドル一日目を終えることになる。

まぁ、家に帰ったときはまだ次の日になってはいないんですが。

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