第八話 「開幕!マリVSトルナVSかずし」
遂に開幕!
ユウタ達が転校して二週間の時が過ぎ、遂にクラス対抗大会の幕開けの日となる。
今回の目玉は勿論、転校して直ぐ出場となったユウタ達を見に、応援に来た西東京学園の生徒や他校の生徒にマスコミの人やADB企業側の人達が南星島のクロスフィールズ学園のADB専用巨大アリーナに集まってきた。その人数を見るアリーナの選手控え室に待機していたユウタ達はスクリーンを見ながら緊張の余り身体が固まっているがソラだけは平然に武器のメンテナンスをしていた。
「お前は相変わらず余裕そうだな」
ユウタはソラに言う
「そういうお前等は緊張し過ぎだ」
「おーーい、邪魔するよ〜〜!」
思わぬ所に思わぬ人物が控え室に入ってきた
「学園長!?」
学園長はいつものお気楽な感じに椅子に座った
「良いんですか?もう直ぐ開会の挨拶とかで行かなくても?」
「少しぐらい遅れても良いのよ。だって私だもん」
「相変わらず、お気楽な学園長だな」
ソラに言われる学園長はコーヒーを自分で注いで軽く飲む。
「あんた達は、まだ"西東京学園"の看板を背負っているんだ。だから下手な試合は出来ないよ。」
学園長は真面目な顔でユウタ達に言った
「そんなの分かっていますよ!」ユウタは拳を前に突きのばす
「私だって精一杯頑張ります!」
「修行の成果を出しきります!」
「上等だ、手を抜くつもりはないからな。」
「よしっ!行きな、お前達っ!」
『さ〜〜て、始まりました!クロスフィールズ学園よる"クラス対抗大会"が開会されます。司会及び実況するのはクロスフィールズ学園の実況部が放送します!では始めに新しく来られました新学園長の"東連寺アケミ学園長が開会の挨拶があります。』
アナウンスが一時締めると新たなスクリーンが、アリーナに教室棟、島の街中、島全体に現れる。スクリーンには学園長の姿が映っていた
「初めまして、新しくこの学園の学園長に勤める事になりました。"東連寺アケミ"です。今回の大会にきてくださった"西東京学園"の生徒はチャンと高村達の応援をしなさいっ!そして、今回参加する生徒は私の付き添いになった可愛い教え子は絶対に負けることはないと私は思います!一言言うとコレは挨拶じゃあ無いよ………クロスフィールズ学園の最強組"生徒会"による"宣戦布告"と考えておきなさいっ!以上!」
スクリーンが消えるとアリーナに集まっていた西東京学園の生徒は大きな歓声がアリーナに響き渡った。
『何という宣言!コレは生徒会に向かった宣戦布告!?コレは学園史上初の下剋上?それでは期待一番の高等部二年生クラス組の入場です!』
『まずは熱血教師の井上先生率いる二年一組です!』
アリーナの入場口から井上先生を先頭に行進するユウタ達の姿が見えてきた
「学園長もムチャクチャ言ってくれるな〜」
「コレで俺らは一歩も退けないぞ」
「わかっているさ!」
『続いては規則まじめな教師の西郷先生が率いる三組です!』
「ユウタっ!あれ?」
ミキが指を指す先には
「まじかよ……面白い」
西郷先生を先頭に現れたのはソフィにサキ、バン、トルナだった。
『さーーて、いよいよお待ちかね我が学園誇る二年生学年部長滝澤先生率いる"生徒会"の二組です!』
「今回の学園長、かなり面白いなっ!」
「ほんと、宣戦布告なんて」「しゅんすけ、ナルミ、行進が終わるぐらいまで静かにしていろ」
「分かったよ、かずし」
三クラスはそれぞれの待機所のベンチに座る
『それでは一回戦の選手の登場です!先ずは一組は……それはまるで疾風!?凄まじい速さで戦場を駆け抜ける。風宮マリ!』
マリはアリーナのフィールドに立った。
『続いては……強気竜巻のように吹き荒れる、三組の嵐山トルナっ!』
「初戦でトルナとやるなんて」
「すみません、隠すようにと姫様が……」
『そして最後は、狙った獲物は必ず仕留める。生徒会副会長、中島かずし!』
「かずし君が副会長!?じゃあ会長は?」
「後からのお楽しみですか」
ミキとユウタはもうマリに任すしかなくなった
マリとトルナは防御ジャケットを纏い、かずしは多数の武装を備えた重装備[ヘビーアームズ]を纏った
『それでは戦闘不能になるまでの勝負です!
それでは……試合開始!!』
合図と同時にマリとトルナはかずしを挟み込むように周りに走りかける
(やはり、一番は僕を倒すのが考えか……ならっ!)
かずしは自分の盾になるように、周りにミサイルコンテナを展開させる。
「やっぱりね。トルナっ!」
「わかってます!」
トルナはその場に止まり印を組み、マリも印を組んだら腰に巻いてあるポーチから手裏剣を取り出し、かずしに向かって投げ出した。
[ミサイルコンテナ全段発射!]
かずしはコンテナを開け、多数のミサイルを打ち出した。
「防ぐよ」
「はいっ!」
[忍法・手裏剣分身の術]
[風遁・風壁]
マリの投げた手裏剣は次々と数が増えミサイルと攻撃が交じり合い、トルナは巨大な風で造った壁で攻撃を完全に防いだ。
「そしてそこっ!」
マリは次に札を巻いたクナイを今度はかずしじゃなくコンテナユニットの発射口に投げた。
「しまった!彼女はこれを?」
クナイはコンテナの発射口に入ると札が光り出し爆発を起こし、かずしの周りにあるユニットが次々破壊されていく。
「どうよっ!」
「自分の盾代わりには成るけど、逆に自分の範囲を狭くして自分から反撃が撃てない……成る程、流石マリさん」
『なんという事でしょう!?風宮さんのカウンター攻撃でかずしさんに大ダメージだ!』
「くっ……失態だな僕があれを返されるなんて、甘く考えすぎたな」
「まだここからだよ!」
マリは次に印を記したクナイを無数にフィールド全体に突き投げる
それを見たソラは
「あれをやるんだな」
「何をやるの?」
ミキが聞く
「前回、先生にやった技だ。"空間移動忍術"あれを出来るのはマリだけで戦いでは"閃光の忍姫"と言われている」
「まじかよ、マリはそこまで強くなったんかよ。」
「何をするんだ?逆にお互い足場が不利になるだけだ」
「まさかマリさん……マズい」
トルナはクナイを持ち構えた。
「それじゃ行くよ!」
マリは一歩前に踏み出すと彼女の姿が消えた。
「消えた?」
「ヤッパリくるっ!」
トルナは瞬時に四方から攻めてきた手裏剣やクナイを払った
「一体どこから……くっ!」
かずしの後ろから軽い爆発か起こる
マリは二人から離れた遠くのクナイから姿を現した。
「いつの間にあんな所に?」
ユウタは驚く表情を表す。
「マリは一つ一つのクナイに術式を記した札を貼り付けて、刺した所まで瞬間移動をするんだ。」
ソラが言う
「ならこの勝負は勝ったも当然だな」
「いや、あの術には結構力の消費がいくんだ。さっきの移動攻撃で後は数回しか使えないな。もう勝負所だな」
「そんなっ!」
確かにマリの様子は疲れが溜まっている様子が見えてきた
「マリさんも限界がきている。決めるならここで」
トルナはポーチから一つの巻物を取り出し広げ、クナイで指の皮を少し切り一滴の血が流れ出し、印を組んだら広げた巻物に手をのせた。
「召喚の術!」
巻物から身長をはるかに超える一羽の鷹が出てきた。
「トルナ、ここが地球世界か?」
鷹が言う?
「「えっ……?鷹が喋ったーーー!!」」
みんなの声が偶然に揃った。
「迅九郎!今マリさんと彼と戦っているから、少し力を貸して?」
「そうか、なら仕方ないな」
「そんなっ!迅九郎さんが出てくるなんて」
トルナはまた印を組んだ。
「これで決めます!」
[風遁・風神爆風]
トルナは迅九郎の背に乗り高度を上げ、大きな翼で強い風おこしをマリに向かって強く打つ
「ヤバい……印が組めない……っ!」
マリは風に逆らうことも出来ずフィールドの外に飛ばされる。
『風宮さん戦闘不能!』「やった!」
「チェックメイトだ…」
トルナは思わず自分の頭上を見る。
それはトルナより高く飛びまた幾つものミサイルが発射準備を整えていたかずしの姿があった。
「僕をここまで撃たせたのは君達が初めてだ。楽しかったよ。」
[デスレイン!]
待機していたミサイルは強い雨のようにトルナに集中して打つ
「すまん……トルナ…」
迅九郎は白い煙となって消え、トルナはフィールドに落ちた。
『嵐山さん戦闘不能!よって勝者は中島かずしさん!なんという試合、両者譲り合いの無い試合でした!』
「ギリギリだったな〜」
待機所にいたしゅんすけは出る準備をしていた
「思っていたより結構やるぞ」
「ご忠告ありがとさん」
「マリちゃん大丈夫?」
「大丈夫、ゴメンね負けちゃって」
「大丈夫だ、俺が出る」
「頼むぞ、ソラ」
「任せろ」
初戦は負けてしまったユウタ達
流れを変えるためソラが出る
次回第九話 「二戦目・ソラ出陣!」
ソラ「俺が流れを変える!」