第一話 「消える光」
新しい戦いが遂に始まる。
空は青く晴れて、街もいつもどうりの賑やかだった。
でも……その中にかなり賑やかな一軒家があった。
「りょうた君、彼を起こしに行ってくれない?あのままだと、また遅刻しそうだから」
台所で調理していた少女が言った。
「分かりました。」
りょうたと言う少年は二階に向かう階段を上がった
「兄さん朝ですよ…」
部屋の扉を開けると、ベッドには未だ寝ている少年がいた
「やっぱり、早く起きてください。遅刻しますよ!」
「あと……五分…」
「駄目です!遅刻します」
「分かったよ……厳しいな、りょうたは」
少年はベッドが起き上がった。
「兄さんがお気楽なだけです。僕は先に学校に行ってきますから、兄さんも早くして下さいね」
そう言うと、りょうたは部屋を出る。
彼も制服に着替えて、部屋をでて下に降りた。
「起きた?早く朝食を食べて行くよ」
台所にいた少女は机の上に置いていた朝食を食べていた。
「あれ?ミキ、今日は仕事は休みなん?」
「だって、来週には"クラス内バトル"があるから事務所には二週間の休みを貰ったから。」
「そうなんだ〜」
少年は椅子に座り朝食を食べ始めた。
「早く行こ!ユウタ」
「待ってよ!今食べ始めたんだぞ!?」
「だから急いでよ!」
ミキは時計を指すと、時間は八時を回っていた
二人は慌てだし、家を飛び出した。
「何で毎回こうなんだ?」
「ユウタが毎回起きるのが遅いからだよ!」
ユウタとミキは、なんとか同じに通う学生達の行列に間に合った。
「これなら間に合うな」
「いつになったら、普通に通えるのかな〜」
二人の会話を入り込む、1人の少女が現れた。
「おはようございます。お二人さん」
ユウタとミキが振り向くと、そこには礼儀正しい少女だった
「あら!さやかちゃん、おはよう!」
「はいっ!おはようございます。ミキさん、それに高村君」
「あぁ、おはよう!石崎さん」
彼女は石崎さやか、俺達が通う学校のクラスメートでクラス委員長。成績も優秀で"クラス内バトル"でも上位者である。そして俺達が通う学校は、東京の西側にある西東京学園校で、つい最近に始まった新しい科目"ADB"ゲームのような鎧を纏い、武器を使って戦う。東京を始め、今では全世界に広まった。新しい競技である。今では、安全面も強化され小学生からも行っている。
「最近はどうなん?武器の調整は?」
ユウタは石崎に話しかける。
「そうですね、武器はともかく鎧の調整が今整えていますね。機動力を上げないと、高村君には勝てないですから」
「そんな事は無いよ!さやかちゃんは今でもユウタに勝てると思うよ!私だって、さやかちゃんに勝てるか分からないし……」
「そんな事は無いよ、ミキさんだって、かなりの実力の持ち主だし」
「だったら、今日の授業でやり合おうよ」
「高村君とですか?」
「うん!せっかくだからやろうよ!」
「分かりました。宜しくお願いしますよ。高村君!」
午前の授業が終わり、ユウタ達のクラスはADBの授業が行う競技場に向かっていた。
「石崎さん行ける?」
軽い準備運動をしていたユウタは言った。
「私は何時でもよろしいですよ!」
「おい待てよコラっ!!」
その声にクラスの皆が振り向いた。
そこにいたのは、クラスの不良組の三人だった
「そこは俺らが使うんだ。どけよっ!」
「わりーな、今は俺と石崎が先に使う事にしているんだ。」
「うるせっ!言うことを聞かんのんなら、叩きのめしてやる。俺達"三人"でな!」
そう言うと、三人組は鎧を纏い、ステージの上に立った。
「ユウタ、どうするの?」
ステージ外にいたミキが叫んだ。
「どうするって、俺はやるよ。面白いし!」
ユウタは笑顔だった。
「高村君、大丈夫なんですか?」
石崎もステージを出ていった
「大丈夫だ!"三十秒"で終わらすよ!」
ユウタも鎧を纏って、剣を握り構える。
「相手の武器は槍にアックス、両手剣……全部重い奴だな」
「良いか?lifeはお互い三千ずつある。時間は無制限でやる。良いな!」
「いつでも!」
「調子に乗りやがって」
槍と両手剣の奴が先行して攻め続けるが、ユウタは余裕によけ続ける。
「振りが遅いな〜〜」
ユウタはそう言うと、上空に飛び上がった。
「コレで終わりだ!」
ユウタは剣に大量の炎を纏った。
「終わったね」
「そうですね!」
ミキと石崎はユウタの勝利を決めていた
[ファイヤードライブ!!」
ユウタは力強くステージに剣を叩きつけた。
そこから、ユウタを中心に炎の衝撃が走った。
三人組は見事にその攻撃をくらい、lifeが0になりユウタの勝利に終わった。
「余裕だったな……ミキ、何秒だった?」
「17秒!新記録だよ」
「よしっ!それじゃ、石崎さんやろうよ!」
ユウタはそう言うと、石崎は再びステージの上に立つ。
「それでは、高村ユウタと石崎さやかのバトルを始める。lifeは五千、時間は10分間だ」
審判の先生が言う
「OK!!」
「分かりました。」
「それでは試合開始!」
そう言うと二人はお互い攻め始めた。
試合が終わり、結果は残りお互い180で"引き分け"になった。
そして学校も終わり、生徒は下校時刻となり、ユウタは石崎とミキの三人で帰っていた。
「やっぱり、石崎さんには勝てないよ〜」
「いえいえ、高村が本気出していたら、負けていました。高村君とミキさんは中学の頃から強かったけど、何かやっていたのですか?」
石崎に言われたユウタとミキは顔を見合わせた。
ユウタ達は何故か小学校の五年の前の記憶が無くなっている。
ユウタがベッドから起き上がった時には、ミキと弟のりょうたがいた。
「何でだろ…戦うと、何故か体が覚えているんだ。やったことは無いのにな…」
「私も…」
「奴か……"ターゲット"は?」
「そうだな、早めにしとめようか?」
ユウタ達を遠いビルから見ていた男女の二人組がいた。
「取りあえず結界を張る、そこからだな…」
そう言うと1人の青年が一枚のトランプを空に投げ捨てる。
[結界術]
一枚のトランプから高さ一キロに直径二キロの光の壁が生まれた。
「何!」ミキが言う
「石崎さんは大丈……夫?」
ユウタが石崎に言うと、それはユウタとミキ以外の人間は動かなかった。
「どうなっているの?」
「わからない…けどコレは普通じゃない!」
「ユウタっ!上!」
ユウタはミキが指差す方に向くと、そこはさっきの二人組だった。
「おまえらは何者だ!?コレはいったい?」
「君は知らなくて良いよ……ここで"死ぬ"から」
青年はもう一枚のトランプを取り出す。
すると、動かなかった人達は段々と光の炎に変わり、トランプに吸い取られていく
「石崎さん!?」
ユウタは築くと、石崎も炎に変わり消えていく
「石崎ーーー!」
ユウタの目は怒りに変わった。
「お前ら………よくも石崎を…石崎を返せー!」
ユウタはアームを纏い彼らに飛び出した。
「馬鹿が!」
青年は軽くユウタに蹴りを喰らわした
ユウタは強く地上に返された。
「うっ……」
「ユウタ!」
「ここで死ぬーー!」
青年はもっとトランプを取り出しユウタに襲った。
「俺は……ここで死ぬのか…なんも仕返しもできないで……石崎、ゴメン」
しかしその瞬間
「こんな事でくよくよするなよ!」
ユウタの次の瞬間を見ると、そこには黒き鎧を纏った少年がいた。
「君は?」
「久しぶりだな……ユウタ!」
「まさかここまでついてきたのか?しつこいな、"黒き彗星"ソラ……仲間か?」
ソラは構える
「"友達"だ」
危機一髪だったユウタを助けたソラ
しかし彼らの力に苦戦するソラ達にユウタに新たな力が
次回第二話 「呪われた鎖」
ユウタ「なんだ、これは!?」