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第3話:料理しがいがある素材

本日の三連投、いよいよラストです!

遙 カナタ(はるか かなた)です。

18時、19時と読んでくださった皆様、本当にありがとうございます!

執筆に関しては完全な初心者ですが、この物語の「始まり」をどうしても今日中に皆様に届けたくて、気合の三連投を完走しました。

第3話では、いよいよ物語を彩る三人の新人Vtuberたちが登場します。

世界最弱と揶揄される今の日本。

そこに現れた三人の「新星」と、心を失った伝説の指揮官が出会う時、停滞していた物語が動き出します。

初心者の挑戦、ぜひブックマークや評価(星★)で応援していただけると泣いて喜びます!

それでは、第3話――「料理しがいがある素材」をお楽しみください。

「ただいま」

 そう言って開けた玄関の向こうから、聞きなれない……いや、聞き覚えのある不協和音が響いてきた。

 高音の悲鳴、キーボードを叩く乱暴な音、そしてヘッドセットから漏れ出ているであろう爆発音。

「——あはは! 全滅! 記録更新じゃない、これ?」

 リビングのソファにふんぞり返り、缶ビールを片手にケラケラと笑っているのは、薄着のままの姉貴――Mintyだ。

「……姉貴、何やってるんだ」

「おかえり葉月。いいところに帰ってきたね。ほら、この地獄絵図を見てみなよ」

 姉貴が指差したモニターには、ピンク、ブルー、イエローの三色のアイコンが、無残にもデスボックスに変わっている光景が映し出されていた。

 配信画面の隅で、三人の少女のイラストが「わわわ、ごめんなさいー!」「次! 次こそはチャンピオンだよ!」と騒いでいる。

「……Vtuberか」

「そう。アタシが今日から面倒を見ることになった新人ユニット『トリニティ・レイド』。こっちが――」

 姉貴は、俺の頭に無理やりヘッドセットを叩き込んだ。

「今日から彼女たちの命を預かる、鬼コーチのOUKA様だ」

 姉貴のふざけた紹介に、ヘッドセットの向こう側が、水を打ったように静まり返った。

『……は?』

 一秒、二秒。最初に上がったのは、低く、刺すような拒絶の声だった。

「Mintyさん、それは――冗談ですよね?」

 画面の中で、ひときわ目を引く赤い髪のモデル――リーダーのレイが、まるで俺を睨みつけるかのように激しく動く。

「私たち、次の大会に人生懸けてるって言いましたよね。プロでもない、ただの一般人の弟さんに何が教えられるって言うんですか! 私たちが今までどれだけ血の滲むような練習を――」

 リーダーと思われる赤い髪のモデルが、画面の中で激しく動く。だが、その怒声に重なるようにして、もう一つの声が低く響いた。

『……待って、レイ』

 それは、冷徹なまでに落ち着いた、碧い髪の少女の声。

 彼女だけは、画面の隅でピタリと動きを止め、こちらの気配を「観測」していた。

『……その名前。……それに、今の沈黙』

 ノイズ混じりの吐息が漏れる。

 彼女の計算高い瞳が、モニター越しに俺の正体を暴こうとしているかのような、奇妙な圧力を感じた。

『……Mintyさん。その人、本当にただの「弟さん」なの?』

「さあ、どうかしらね」

 碧い髪の少女の、射貫くような問い。

 だが姉貴は、その疑念をひらりとかわすよう不敵に微笑んだ。

 「さあ、どうかしらね。……それよりレイ、あんたの不満はもっともよ」

 姉貴は、なおも食い下がろうと口を開きかけていたリーダー――レイの言葉を、有無を言わさないトーンで制した。

「ま、御託はいいわ。百聞は一見にしかず、でしょ?」

 その時。一触即発の空気を切り裂いて、緊張感の欠片もない明るい声がスピーカーから飛び出した。

『わあ! コーチくん!? コーチくんが来るの!? ねね、お菓子用意して待ってるねー!』

 画面の右端で、ふわふわとした銀髪に黄色い瞳の少女――月城(つきしろ)ねねが、エモーションでピコピコと踊り始める。

『ねねね、今ね、あそこのお山に敵さんがいる気がするんだよね! 根拠? んー、なんか空気がピリピリするから!』

『……ねね、今は静かにして。大事な話をしてるのよ』

『えー、ほむほむ、お顔が怖いよー? せっかく新しいお友達が来たんだから、仲良くしよーよ!』

 姉貴がニヤリと笑い、3つのモニターを俺の正面に向けた。

 そこには、三色の火花が散るような、あまりにもアンバランスな三人組の姿があった。

「まずは真ん中、赤いポニテがリーダーの緋ノ宮(ひのみや)レイ。うちの特攻隊長よ。エイムは一級品、気合は十級品。……けど、頭に血が上ると周りが見えなくなる暴走特急ね。今もほら、負けすぎて画面越しに火を噴きそうでしょ?」

『――ちょっと、聞こえてますよMintyさん! 誰が暴走特急ですか!』

 ヘッドセットから弾けたのは、低音の効いた、刺すような拒絶の声。

『大体、なんで今さらコーチなんて……。それも、プロでもない、ただの一般人の弟さんに何が教えられるって言うんですか! 私たちがどれだけ必死にこの一戦に懸けてるか、わかってるんですか!?』

「はいはい、わかってるわよ。で、その横の碧いのが蒼星(あおほし)ほむら。うちの『脳』担当ね。データと理屈が大好きな、可愛げのない秀才。あんたの現役時代にちょっと似てるかもね?」

『……Mintyさん。可愛げがないのは余計です。……初めまして、コーチ。今の指摘、論理的には正しいわ。でも、一般人にそれが「見えている」理由は、まだ納得できていない』

 レイが感情的に喚く横で、ほむらだけは冷徹な瞳でリザルト画面を凝視している。品定めするような、鋭い視線。

「最後がこれ。うちのリーサルウェポン、月城(つきしろ)ねね。見ての通りの天然ボケだけど、こいつの『勘』だけはアタシも読み切れないわ。理屈もクソもない、野生の天才よ」

『あ、コーチくんだ! おっはよーございまーす! 』

 緊張感のかけらもない、鈴を転がすような明るい声。

「……ま、見ての通りよ。『努力(レイ)』と『理論(ほむら)』と『本能本能(ねね)』。素材だけは最高級なんだけどね。今のこいつらは、バラバラに空転してるだけの三流ユニットよ」

 姉貴は俺の肩に手を置き、逃がさないように力を込めた。

 モニターの中では、真っ赤に怒るレイと、淡々と分析を続けるほむら、そして「おなかすいたー」と呑気に笑うねねが、相変わらず噛み合わないやり取りを続けている。

 かつて世界を制した『Ground Zero』の智将が、いたずらが成功した子供のような笑みを浮かべて、俺の耳元で囁いた。

「さあ、料理しがいがあるでしょ? コーチ」

本日の三連投、最後までお読みいただき本当にありがとうございました!

執筆初心者として踏み出した第一歩、皆さんの目にはどう映ったでしょうか。

明日からも、毎日20:00に更新を続けていく予定です。

世界最弱と蔑まれた日本。そして、心を失った伝説の指揮官。

この四人がどんな「正解」を見つけ、世界へ挑んでいくのか。

その結末まで、一緒に走っていただけませんか?

下の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークが、初心者の僕が明日も執筆するための最大のエネルギーになります。

それでは、また明日の20時にお会いしましょう!

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