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魔王降臨 奈落都市ネザリアから始まる人類征服戦記  作者: たゆたう
第二章 魔王の帰還

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第23話 地獄を焼く黒炎


ダークエルフの集落は、もう半分が「形」を失いつつあった。


低い木の家々が燃えている。

枝を編んで作った屋根は、炎に舐められながらゆっくりと崩れ、炭になった梁が折れるたび、乾いた音とともに火の粉が夜空へ散った。


地面には、褐色の肌と黒髪を持つ者たちが横たわっている。

矢の突き立った背、喉を裂かれた男、髪を掴まれたまま動かない女。

まだ息のある者は、白いマントを翻す男たちに、槍の石突で転がされ、背中や脇腹を突き刺されていた。


「列を崩すなと言ったはずだ」


低い声が、炎の音を割って響く。


純白のマント。銀の鎧。胸に刻まれた十字と剣の紋。

セラディア聖王国・聖騎士団の紋章だ。


隊長格と思しき男が槍を持つ部下に顎で指示を送る。


「若くて動ける男と女は連行。抵抗の意思が見える者、重傷者はその場で浄化しろ」


「了解」


若い聖騎士が淡々と返事をする。声は真面目だが、足元の「獲物」に向ける目は、獣や荷物を見るそれと変わらない。


倒れているダークエルフの男の胸を槍の石突でつつく。

うめき声が漏れた瞬間、その喉元へ、ためらいなく穂先を滑らせた。


「光が、お前の罪を洗い流すよう祈る」


祈りの言葉だけが、燃える家の陰で何度も繰り返される。


集落の中心――踏み固められた広場には、粗末な檻がいくつも並んでいた。


子ども。女。老人。

腕と足首を縛られ、目隠しをされている者。恐怖に濡れた目で外を見ている者。


その周囲を、黒い法衣の一団が静かに歩いていた。


顔の下半分を布で覆い、首からは金属とも鉛ともつかない鈍い色の札がいくつもぶら下がっている。

札にはただ番号だけが刻まれていた。


「若年個体。魔力反応、中等。耳形状に特徴あり」


一人が、札に番号を刻みながら淡々と呟く。

手には、鎖と刻印入りの札が束ねられていた。


別の黒衣が、縄で繋がれたダークエルフの子どもの顎を掴む。

白眼をむいて気絶している。


「反応鈍いが、呼吸あり。“処理用”には惜しい。標本候補。三十二番」


「了解。三十二、標本枠」


鎖が鳴る音が、火の爆ぜる音に混じる。


黒衣の一団――《名前のない聖職者たち》は、悲鳴と燃焼音の中でも声の調子をほとんど変えない。


「この集落で“使える”個体は?」


白マントの聖騎士隊長が問う。


「標本十五。調査用十。残りは不要」


「不要、か」


隊長は、鼻で笑うように息を吐き、森の反対側を見やった。


木々の合間に、別の煙が立ち上っているのが見える。

燃えているのは今いる集落だけではないのかもしれない。


「……本来の任務はあくまで“魔王の残党”の追跡だ」


彼は、部下というより自分自身に言い聞かせるように呟く。


「あの地下牢から逃げた“魔王の息子”は、この森に入った可能性が高い」


黒衣の一人が鎖を束ね直しながら応じた。


「いずれにせよ、ここは異端と“古い血”の巣だ」


別の聖騎士が、燃える家々を見回して吐き捨てる。


「森の魔獣と亜人がつるんで、人の光から隠れている。

この森ごと放置すれば、いずれ“魔王の軍勢”の温床になる」


「だからこそだ」


隊長は、白いマントを翻した。


「この森の“邪悪な巣”も、通りがかりに浄化していく。

どうせ戻る道すがらだ」


聖騎士たちは、本来の任務の合間に、森の中の小さな村を「ついで」に燃やしていた。


広場の隅で、ダークエルフの若者が這うように逃げていた。

片脚は膝から下が焼け落ち、黒く焦げた骨が覗いている。


伸ばした手が掴んだのは、土ではなく、誰かの冷たくなった指だった。


「や……だ……まだ――」


掠れた声は、炎に飲まれて消える。


銀の鎧の足音が、背中の後ろで止まった。


影が伸びる。

胸元へ、槍の穂先が音もなく下りてくる――



少し離れた斜面の上から、その光景を見下ろしている者たちがいた。


湿った土の上に伏せ、煙と熱をまともに浴びながら、集落全体を見渡す。


ルシアン・ルクスベルク。

隣に、ガルネとラガン。

少し後ろにマーヤ。

さらに木陰に、ルナとブランが身を寄せ合い、その横でインフェルノ・ウルフ《ノクス》が静かに伏せていた。


焦げた木の匂い。

血の匂い。

それに混ざって、鼻先を刺すような聖油と香の匂い――聖堂で嗅いだ「光の匂い」が、風に乗って微かに届く。


「……ひでぇな」


ガルネが、低く唸った。


いつもの乱暴さから切り離された、純粋な嫌悪の声。


「どこが“浄化”だよ。あれじゃただの狩りじゃねえか」


ラガンの指先が、土を掴んでいた。

褐色の指に力が入り、爪が掌に食い込む。


ノクスが鼻を鳴らす。


ーー聖騎士が十数。黒布が四。


頭の中に、低い声が落ちてくる。


ーー血と煙の濃さからして、すでに半分は狩られた。

ーーこのままなら、ほどなく静かになる。


「“静か”ってのは、全員死ぬってことだろうが」


ラガンが、歯を噛みしめたまま、黒衣たちを睨み下ろす。


「あの黒布……《名前のない聖職者たち》だ。

捕まった連中は、まともな死に方はしない。遊びか、実験台か」


ルシアン様は、黙って下を見ていた。


聖騎士たちの陣形。

黒衣の位置。

檻の並び。

逃げ道になりそうな路地と、炎に塞がれている通路。


一度視界に入れただけで、頭の中に「盤」が組み上がる。


ここで時間をかけて迷っている暇はない。


勝てるかどうか。

それは、もう最初から疑っていなかった。


(問題は――)


喉の奥で、短く息を飲む。


(どこまで“間に合うか”だ)


「ルシアン様」


マーヤが囁く。


「人数は、聖騎士が十五から二十。黒衣が四。

こっちは、前に出られるのが三人。下手な突っ込み方をすれば、こっちも削られる」


言葉は冷静だが、視線は檻へと何度も吸い寄せられていた。


ルナとブランも、木の陰から覗き込んでいる。

ルナの肩は震え、ブランはその震えを隠すように腕を組んでいる。


ルシアン様は、短く息を吐いた。


「……突っ込むのは、もう決めてる」


その言葉に、全員の視線が集まる。


「迷ってるのは、“勝てるかどうか”じゃない。

どれだけ早く切り崩して、どれだけ多く引きずり出せるかだ」


ノクスが、面白そうに喉を鳴らした。


ーーらしい答えだな、小さな魔王。


ーーだったら、さっさと決めろ。時間を喰っている間にも、下では“処理”が進む。


ルシアン様は、斜面の下を一瞥し、すぐに仲間へ向き直る。


「作戦を整理する」


声は短く、はっきりとしていた。


「前で敵を削って時間を稼ぐのは、俺とガルネ、それからラガンだ」


「了解だ、ルシアン様」


ガルネが、拳を握りこんでニヤリと笑う。


「正面の聖騎士は、あたしができるだけまとめて相手する。

ルシアン様は前に出すぎないこと。盾役は慣れてる」


「俺は後ろから黒布どもを射抜く」


ラガンはもう弓を構えていた。視線はすでに、黒衣たちの手と札と鎖にロックされている。


「あいつらの札と鎖を折れば、術式は回らない。

《名前のない聖職者たち》に好き勝手させたら、あっという間にこっちが詰む」


「マーヤ」


ルシアン様は振り向く。


「檻と拘束具を優先だ。術式の刻まれた部分だけを潰せるか?」


「やってみるよ」


マーヤは頷き、杖代わりの棒を握り直す。


「封印の刻み方を見る前から全部は読めないけど……

あたしが印を潰した檻から順に、子どもと歩ける人間を避難させる。」


「ルナ、ブラン」


名を呼ばれ、二人がびくっと肩を跳ねさせる。


「はいっ……!」


「な、なんだよ」


「お前たちは“避難誘導班”だ」


ルシアン様は、檻の列を顎で示す。


「檻が開いたら、動けるやつをノクスの後ろに集めろ。

怖がって動けない子どもは手を引いてやれ。

ただし――」


言葉に、少しだけ力が入る。


「絶対に前には出るな。

何かあったら、ノクスの方向に走れ。戦うのは俺たちの仕事だ」


「……わかりました、ルシアン様」


ルナはぎゅっと拳を握り、こくりと頷いた。


「こ、怖いけど……でも、檻の中で震えてる子たちのほうが、もっと怖いから……」


「俺もやる」


ブランも無理やり声を張る。


「今さら隠れてても意味ねえしな。

邪魔には……ならねえようにする」


「ノクス」


ルシアン様が最後に黒い巨体へ視線を送る。


「マーヤと二人を守ってくれ。

檻と負傷者のところまでの道を確保するのが第一だ。

敵が回り込んできたら――」


そこで、口角がわずかに上がる。


「そのときは、まとめて噛み千切っていい」


ノクスは、喉の奥で短く笑った。


ーーよかろう、小さな魔王。


ーー今回は“群れの後ろ足”を守ってやる。その代わり――


黄金の瞳が、炎に照らされた広場を細めて見下ろす。


ーー前足の狩りが、どれほどのものか。しっかり見せてもらおうか。


役割は、一瞬で決まった。


この場で長く議論する余裕も、必要もない。


ルシアン様は、もう一度だけ下を見た。


聖騎士の一人が、這って逃げるダークエルフの胸へ槍を振り下ろそうとしている。

別の場所では、黒衣が震える子どもの額に札を押し当てかけていた。


聖堂で見た光景が、脳裏に重なる。

聖剣。断罪の光。首を失っていった者たち。


(あの光と同じだ)


祈りの言葉を被せながら、弱いものだけを効率よく傷つける。


(だったら――)


喉の奥に溜まっていた熱を、息と一緒に吐き出す。


「行くぞ」


短い一言で、空気が締まった。



祈りの言葉と共に、槍が振り下ろされようとした、その瞬間だった。


「この闇深き森の異端よ――」


聖騎士の口から、習い慣れた浄化の文句が滑り出る。


「光の名のもとに――」


言葉の最後まで辿り着く前に、地面が黒く染まった。


聖騎士は一瞬、それを影だと思った。

背後の炎が揺れ、影が伸びただけだと。


次の瞬間、その「影」が爆ぜた。


地面の裂け目から、黒い炎が奔流のように噴き上がる。


「な、っ――!?」


聖騎士の悲鳴は、炎に飲み込まれた。


黒炎は、ただ広がるのではない。

水のように流れ、風のように曲がり、まるで何かを「選んで」舐めながら走る。


斜面の上。


ルシアン様は片手を前に突き出していた。


指先からあふれ出た黒炎は、彼の足元を焼くことなく、下へ下へと滑り落ちていく。

広場の一角――聖騎士たちの陣と、光の儀式円が集中している一帯を狙って。


胸の奥で、ひとつの名が形を取る。


黒獄炎奔流ヘル・フレア


焼き尽くすための火ではない。

守るべきものを避け、壊すべきものだけを薙ぎ払うために、選別された闇の炎。


「――黒炎奔流ヘル・フレア


ルシアン様が、短く名を告げると同時に、黒炎は広場へ到達した。



燃え盛る集落の中に、別種の火が現れた。


聖油に喰われた家々を舐める赤と白の炎の間を、

黒い奔流が逆流するように走る。


広場の端。


聖騎士二人が構えていた槍の根元から、黒が染み上がった。


「熱っ……!?」


マントの裾が、瞬く間に炭化し、黒い灰となって崩れ落ちる。


だが、そのすぐ隣――

檻の中で蹲っている子どもたちの足元には、一滴の炎も触れない。


炎は、まるでそこにいる者を見ているかのように、檻の外側ぎりぎりで曲がり、別の方向へ向きを変える。


「光を、光を掲げろ!」


一人の聖騎士が慌てて聖印を掲げた。


その手首に、黒炎が絡みつく。


焼ける音はしない。

鎧も皮膚も、見た目には無事だ。


ただ、聖印そのものの輝きだけが、一瞬で濁り、ひび割れた。


「なっ……!?」


男の喉から、言葉にならない声が漏れる。


広場中央。


《名前のない聖職者たち》が描いた光の儀式円が、黒炎に呑まれていく。

石畳に刻まれた白い線が、じわじわと黒く侵食され、構造そのものが崩れていく。


「術式が……切られた!?」


黒衣の一人が札へ手を伸ばす。


その指先を、斜面の上から飛んできた一本の矢が貫いた。


「ぎっ……!」


甲高い悲鳴が上がり、札束が地面へ落ちる。


ラガンの矢だ。


二の矢が、別の黒衣の手首を掠めて札を弾き飛ばし、

三の矢が鎖を壁に縫い止める。


黒い札に刻まれた符号と数字が、血と土の上に散らばった。


「どこからだ!?弓の射線を――」


聖騎士たちが慌てて盾を構える。


だが、黒炎の奔流は、すでに広場の一角を完全に覆っていた。


黒炎は、ルシアン様の意志に従っていた。


聖騎士たちの足元を撫でるように走り、地面の熱を奪い、感覚を狂わせる。

白いマントと銀の鎧は、表面だけを黒く焦がされ、内部では骨の奥に冷たい震えだけが残る。


浄化と称して焼いてきた側が、初めて“焼かれる側”に回っていた。


奔流の縁は、檻の列をなぞるように走る。


木の枠組みに刻まれた封印の印が、じゅ、と音を立てて黒く焦げる。

だが、木そのものは燃えない。

中にいるダークエルフたちの髪も衣服も、炎に触れない。


鎖だけが、黒く脆くなり、次の衝撃でいつでも砕ける状態になっていた。


その中へ、影が飛び込む。


「道ができたな!あとは殴るだけだ!」


ガルネだ。


黒炎の余熱をものともせず、聖騎士のひとりへ一直線に突っ込んでいく。


振り下ろされた剣を、肩で受けるように突っ込んだかと思うと――そのまま拳が盾ごと胸板を打ち抜いた。


「ぐっ……!?」


鈍い音とともに鎧が凹み、男の体が空中に浮く。

そのまま数メートル吹き飛ばされ、燃えかけの壁に叩きつけられた。


「次っ!」


ガルネはすでに次の聖騎士へ踏み込んでいる。

彼女の足元から、黒炎がするりと退き、進路を邪魔しない。


別方向から、低い咆哮が響いた。


ノクスが、マーヤとルナ、ブランを連れて森の側面から回り込んでくる。


黒い巨体は、焚き火の炎など気にもしない。

檻の前に立ちはだかっていた従者たちを、ただ一度、肩をぶつけるだけでまとめて薙ぎ払った。


「きゃっ……!」


荷車が横倒しになり、鎖がちぎれ、鉄輪が転がる。


「ルナ、ブラン!」


マーヤが叫ぶ。


「檻の鍵は多分もう死んでる!動ける子から順に外へ!

ノクスから離れないように、影の中に押し込むんだよ!」


「は、はいっ!」


ルナが駆け出す。


震える手で檻の扉を押し開くと、中から怯えた目がいくつもこちらを向いた。


「だ、大丈夫です……!今、逃げられます……!

こっちへ、ノクス様の影のほうへ……!」


ブランも、隣の檻の縄を引きちぎる。


「立てる奴から外に出ろ!足がダメな奴は、肩に捕まれ!」


少年の背中は、これまでで一番大きく見えた。


黒炎の奔流は、広場を二つに割っていた。


一方に、白いマントと黒衣の者たち。

もう一方に、檻とダークエルフたち。


その境目に、ルシアンが立っていた。


斜面から飛び降り、土を巻き上げながら広場へ降り立った彼の瞳は、深い紅からさらに暗く沈んでいる。

その奥で、黒い炎が静かに揺れていた。


「っ……!」


一人の聖騎士が、その姿を見て息を呑む。


少年のように若い。

だが、まとわりつく魔力と、黒炎の匂いは、彼らがこれまで知ったどの魔族とも桁が違っていた。


「隊長……!」


誰かが叫ぶ。


「魔力反応、規格外です!あの黒い炎――」


「落ち着け!」


隊長の白マントが揺れる。


「魔族だろうが何だろうが関係ない。

ここは聖王国の光が支配する場所だ。

全員、防御陣形を――」


その言葉を遮るように、黒衣の一人が低く呟いた。


「対象確認。赤い瞳、黒炎……年齢と特徴から見て――」


顔を覆う布の奥で口が動く。


「魔王アルドランの嫡子である可能性、高い」


一瞬、空気が凍った。


黒衣の聖職者は、血の滴る手で札を拾い上げながら続ける。


「標的の優先度を変更。

“魔王の息子”の排除を最優先とする」


その静かな宣言は、聖騎士たちの背筋を冷やすのに十分だった。


「魔王の……息子……?」


誰かが呟く。


黒炎の余熱が、広場全体を覆っている。

白いマントは煤け、黒衣の鎖と札は地面に散らばっていた。


その中心で、ルシアン様がゆっくりと手を下ろす。


黒炎奔流ヘル・フレアは、一度走り抜けたあとも、彼の足元に薄く残り、地面に黒い痕を刻んでいた。

炎はまだ、静かに燃えている。


だが、その火は、檻のほうへ一歩も近づかない。


守りたいものと壊すべきものの境界線を、正確になぞるように――黒炎はそこにあった。


ガルネが、ルシアン様の半歩前へ出る。


「前はあたしが受け持つ。」


「……いや、一緒にやるぞ」


ルシアン様は短く応じる。


その背後から、もう一本の矢が飛ぶ。

ラガンの矢が、黒衣の聖職者の手から札束を弾き飛ばし、その鎖を壁に縫い止めた。


森の奥から、ノクスの咆哮が響く。

それは、逃げる者たちに向けて「ここから離れるな」と告げる、森の王の吠え声だった。


黒炎の熱と、燃える家々の炎。

白いマントの聖騎士たちと、黒い法衣の《名前のない聖職者たち》。

その前に立つ、黒炎をまとった青年と、その仲間たち。


森の地獄に、新たな影が割り込んだ。


魔王の息子――ルシアン・ルクスベルク青


その名を誰が最初に口にしたのかは、誰にも分からない。


ただ、広場に立つ者の誰もが本能で理解していた。


ここから先、

「狩る側」と「狩られる側」は、もう一度選び直されるのだと。

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