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風に溶けた詩  作者: karon
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アリス

 詩は歌うためにあった。アリスの父親はよくそう言っていた。

 歌詞と詩は区別なく歌われるものだった。だから残らなかった詩はみな風に溶けている。

 アリスの住む村の隣には丘の上に小さな遺跡がある。遠い昔異教の儀式が行われていたらしい。だがその教義も失われて久しくそれがどのようなものだったかは誰も知らない。

 アリスの家は村のはずれ、小さな森のすぐそばにあった。家族は森の中には家が見えない場所に入ってはいけないと言われていた。

 どんなに晴れた日でも森の中では薄暗く森の外よりほんのりと冷たい風が吹いていた。

 アリスは何度も後ろを振り返り、家があるのを確認しながら森を進む。

 アリスの好きな花は森の暗がりにしか咲いていない。アリスの父親は植物には光が必要だけど強すぎる光が毒な植物もあってアリスの好きな花もそうなんだと教えてくれた。

 薄暗い森の中、白い漆喰の塗られた家は浮き上がって見えた。

 庭と森は隣接しているけれど、森の中に入れば空気が一気に冷たくなる。薄暗い中冴え冴えとした空気がアリスを包む。

 アリスの家にいるのはアリスの父親と母親、ナニーメイドのマティルダ,庭師と料理女の夫婦のダンとアニー、そして通いのエリス。

 そしてアリスと姉のメアリーと妹のエイミー、そしてデイジー。

 アリスの父親は黒髪で母親は奇麗な金髪。アリス達姉妹はそれぞれ濃淡の違う茶色だった。

 その代わり映えのしな髪がアリスは大嫌いだった。



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