【萌々子視点】誰と使ったの、お兄様!
そんなわけで萌々子は今、お兄様のお部屋にいまーす♡
「さてと……これがお兄様の机ね」
なんか散らかっていますね。これだから男の子は。
ちょっと片付けましょう。あ。学校からのプリントがくしゃくしゃになってます。授業料納入のお知らせとか、大事なんじゃないですか? ちゃんとご両親に内容伝えてあるのかしら?
「ん?」
写真がありました。お兄様と性悪女、そして足の黒い人が写っています。背景は……市民ホールですね。そこに掲げられた小さな看板。そこには地区大会の文字があります。
なるほど、去年の地区大会での記念写真ですね。上演前なのか上演後なのかはわかりませんが……ん? なに? ちょっと、ちょっと!
「……許せません!!」
破りたくなる衝動を必死に押さえました。なんで……性悪女がお兄様にしがみついているの!? 地区大会という非日常の場で発情したのかしら、この女!?
そ、それとも……お兄様と……付き合ってる?
「ど、どういうことですかお兄様!」
震える手で写真を机上に戻しました。
「もしかして他にも写真とか……ラ、ラブレターとか……」
そんなことってあるでしょうか? 萌々子に黙ってお付き合いなんて。彼女つくるなんて。そして彼女とイチャイチャなんて!!
こうなったら、徹底的に調べる必要があります! プライバシーとか関係ありません! だって萌々子とお兄様、未来の夫婦なんだもん! 夫婦は心身一体だもん!
机の引き出しを開け、中身を取り出し調べます。調べた後はなるべく原状復帰ですよ。
ふむふむ。駅前でもらった消費者金融のティッシュ。ほほう。予備校の名前が入った消しゴム。これは、なんだかよくわからないキーホルダーですね。あと、スマホについてくるチープなイヤホン。
お兄様、引き出しはゴミ箱じゃありませんよ?
文房具と工具と、よくわからない玩具らしきものが沢山です。怪しいものはなさそうね。
あ、演劇部関係のものだ。地区大会のパンフ、なぜか絆創膏や虫刺されの薬。大会秋だっけ? 蚊がいたのかな?
とりあえず、萌々子と結婚したら整理整頓を覚えてもらわないと。
「ふう。どうも写真やラブレターはないみたい……ン?」
なんだろう。一番奥の方に小さな箱があります。
「こ……これ……これは……!」
一瞬、気を失うかと思いました。だって……だって……これは……萌々子が遠くのコンビニでこっそり買った、あの商品【萌々子視点】誰と使ったの、お兄様!と同じなんですもの! おまけに……開封されています!
「ひい、むう、みい……一枚足りない!!」
足りません! 12枚あるはずなのに、11枚しかないんです!
誰と使ったのお兄様!? 演劇部関連のとこにあったってことは! もしかして! 演劇部で使ったの?
お兄様のバカ! バカバカバカ! どんなふうに誰と使ったのよっ!
萌々子知らなかった。お兄様が経験済みだなんて。相手は演劇部の近藤とかいう女なのね、お兄様!
どこまで性悪なのよ、あの女!
「お兄様を助けないと!」
きっと、お兄様は欺されています。あの近藤なんちゃら、きっとお兄様を脅迫したのです。強引に関係を迫ったに違いありません。
ネットの無料マンガ(一話試し読み)で読んだことあります。
性悪女が好きな男性を教室に呼び出し告白。振られそうになると、性悪女はいきなり下着を脱ぎだし「ここで私が泣き叫んだらどうなるかな?」とか言うんです。続きはサイトに登録してポイント必要なので読んでませんが、その結果主人公は性悪女と付き合うらしいのです。
お兄様もきっとそうやって脅迫されたに違いありません。
さて。今4時。そろそろ部活ですね。
部活と言えば部室。部室と言えば密室。二人っきりになるチャンスもあるに違いありません。
もしかして……お兄様……部活で、部室で……使ったの?
だって、あの女我が家に来たことありませんもの。ホテルって可能性もありますが、お兄様いつもお金無いって言ってるから、それはないです。
「部室だわ……部室で、お兄様とあの女が不純異性交遊……許せません!」
なんであの女なのお兄様! 萌々子と不純でない異性交遊してよ、お兄様!
これは乗り込む必要があります。現場に遭遇してもかまいません。バケツで水引っかけて、引き剥がすまでです!
残り11枚……あの女じゃなく、萌々子と使ってお兄様!!




