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なろうラジオ大賞3

きめろ! ハットトリック! 【胸糞注意】

掲載日:2021/12/08

※ 後味の悪い作品です。読む前に注意して下さい。

 巷で噂のドラッグ。

 ハットトリック。


 若者たちの間で大流行している。


 俺は薬物の取り締まりに尽力し、多くの成果を上げる。

 売人グループも壊滅に追い込んだ……その矢先に、妻がドラッグの不法所持で捕まったと聞いた。




「お前……何を……」


 取調室に座らされる妻。

 姿勢を正して席についている。


「聞いた通りよ、あなた。

 私……ハットトリックをきめてたの」


 そう言う彼女の前には小さな注射器が三つ。


 ハットトリックは三つセットで売られている。

 間隔を空けて三回打つことで、この世のものとは思えない快楽を味わえるという。


 禁断症状を起こすと精神に異常をきたし、再び薬を求めるようになる。


 この薬は一本打つだけでは禁断症状が収まらない。

 再び快楽を味わうには必ず三本打つ必要があるのだという。


「腕を……腕を見せてみろ!」


 妻の右腕をつかんで引っ張ると、小さな注射痕が三つ。

 言い逃れはできない状況だった。


「どうして……どうしてだよ!」

「さぁ、私にも分からないわ」


 不貞腐れた様子で憮然とした態度をとる妻は、まるで別人のよう。


 俺は彼女にできることは何でもやった。

 子供が幼くして死んだ時も、泣きじゃくる彼女を抱きしめて、ずっと傍に寄り添った。

 なのに……どうして!


「俺にはもう……お前が何を考えているのか分からない」

「ええ、私も。私自身どうすればいいのか……」

「…………」


 妻はずっと苦しんでいたのだろう。


 平気なふりをして、ずっと俺を騙していたのだ。

 本当はもう心が壊れていたのに……。




 それから妻は罪を認め、裁判では執行猶予が付いた。

 俺も仕事を止めて彼女の地元へ行く決意をした。


 なれない都会暮らしをやめ、二人で一からやり直すのだ。


「なぁ……まだ辛いか?」

「うん、毎朝ハットトリックのことを思い出しちゃう。

 また打ちたいなーって」

「そうか……」


 妻が薬物に手を出したのは辛い過去を忘れたいがためだろう。

 薬のことを思っている間は子供のことを思い出さずに済む。


 あの子が死んだのは……きっと俺のせいだ。


 夜泣きする子供をあやしている時に、落ち着かせるために薬を飲ませた。

 その翌日には……。


「ねぇ、話……聞いてるの?」

「すまん、ぼーっとしてた」

「運転しながらやめてよね」

「ああ、悪かったよ」


 俺は何があっても彼女を見捨てない。

 ハットトリックなんかよりもずっと幸せな夢を見せてやるよ。


 永遠に……。

最後まで書いてタイトル見て……きめろ! じゃねーよと一人で突っ込んでしまった。

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― 新着の感想 ―
[一言] タイトルにツッコミが入ってよかったです… 強いお薬は薬じゃないです。毒です。(´・ω・`)
[良い点] 昨日、良い話の方の(?)ハットトリック短編に感想を書かせていただき、たらこさんの返信で若干「ん?」と思っていたのですが…… なるほど、こういう形で来ましたか! 良い意味で殺意に溢れた、刺…
[一言] 確かにこれはきめろ!じゃないですね。 キメろ!ではないでしょうか? ……などと意味不明な事を供述しており……再発の恐れもあると見て…… ごめんなさい、ふざけましたm(_ _;)m …
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