闇の中の真実を探して~第15話~
敢えて記載せず。次回投稿をお楽しみに…。
しばらくして、部長室に次席副部長が飛び込んできた。
「部長…。アメリカ下院の東アジア小委員会の設置の経緯が判りました。この委員会は下院で多数を握る野党が下院議長に働きかけ、設置した特別委員会だと言う話です。議会関係者の間で囁かれているのは、公聴会は政権の揺さぶりの為の政治ショーと、日米間の貿易摩擦解消の為の憂さ晴らし的なものに、なるだろうと言う話です。大統領選を来年に控えたアメリカの、野党の政権に対する、ネガティブキャンペーンの1つと判断するのが妥当かも知れません…。」「判った。ご苦労だった。それと司法取引の事だが中間報告でいいから報告してくれと伝えてくれないか?…。上杉にもここに来てくれと…。」「判りました。」次席副部長が部長室を退室した。入れ替わりに上杉が入室、更に5分足らずで中間報告をまとめた政治部の記者が入室する。「部長お待たせしました。アメリカの司法取引は複雑ですが、さっき話題になっていた様な事実上の議会証言拒否も司法取引の範疇に含まれていない。刑事訴追の恐れがあるで可能であり、問題はとの程度まで司法取引が証言者と司法当局との間に、成立しているかで、内容がかなり違う様です。」
「政治ショーしかも八百長に近いと言う話。目的は日本バッシングと大統領選にあると言う話だな…。」「恐らくは…。」「ご苦労だった。」政治部員の記者が部長室を出て行った。
「いまだに全容の欠片も見えないな上杉…。」「まったくですね。部長…。すべては例のアメリカ下院の公聴会待ちみたいですね。」「地検特捜部に逮捕された人間は簡単に商社を含む民間人エージントも口を割る事はないだろうし、政治家の連中は完全黙秘に近い状況…。何があっても知らん存ぜねは目に見えているし…。」「接見禁止が解かれた後、アメリカ議会の公聴会の内容が弁護士から耳に入れば、政治家以外の何人かは喋る可能性はあると思いますが…。」「我々も長期戦覚悟になる…。上杉今日は記事の割り当てはしないから帰宅してくれ早めに…。朝刊の予定稿が出来た段階で、決定稿を決める時間までは僕が社に残るからな…。」「部長私も社に…。」「いや由加さんがお待ちだろう?午前様にならず…。形は新婚初夜だろう…。」「部長…。年寄通しの同居初日です。」
緊迫した中に、ほんの一時、緊張が緩んだ政治部長室であった。
敢えて記載せず。次回投稿をお楽しみに…。