異世界政治事情
どうも、ゆきうさぎです。更新は不定期ですが、長い目で見て頂けると幸いです。
「!?!?!?」少年少女は少し困惑するも、すぐに先ほどの少年が言葉を発した。
「あー、そういうことか。この世界では、異世界からの転移者が珍しくないんだ。
でも、地球という世界は初めて聞いたな。もしよければ、この辺りを案内するよ。」
僕は少年の言葉に甘えて、案内を頼むことにした。
まず、帝都の中を歩きながら、少年がこの国の現状について話してくれた。
「まず今、この街、ひいてはこの国は治安が悪い。なぜだか分かる?」
僕は勘で答えてみる。「景気が悪い、とかか?」
「よく分かったね。つい半年程前まで、ルーテシアは隣国アルシオーネ公国と全面戦争をしていたんだ。その特需景気で一時はみんながそれなり以上の生活をしていたんだ。」
「終戦で特需がなくなった今、今までの好景気から一転したわけか。」
「そういう事。」
「しかし、どうして戦争が?」
「聞いた話だと、帝国主義に不満を抱いたルーテシア国内の反政府勢力がアルシオーネと結びついたらしい。アルシオーネもルーテシアに何度も民主化を求めていたんだ。利害が一致した双方は協力して、ルーテシアを内と外から叩いた。両軍共にかなり犠牲を払ったけど、結局はルーテシアの物量が圧倒したらしいよ。」
「その歳でよくそんなに知ってるな。」
「父が商人でね。商売の都合上も戦争はやめて欲しいってさ。」
「随分と出来のいい親子だな。」
「ははは!」
その後、例によって異世界もの定番の冒険者ギルドで身分証の作成と会員登録を済ませているうちに、日が暮れた。
その日は、親切な少年一家の家にお世話になることになった。