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おまけ:後世の魔物研究家によるシロネブリに関する記述

 シロネブリ/しろねぶり


 自然発生した極めて原始的な生体ゴーレム(ホムンクルス)の一種。

 精霊や霊体などと同じく魔力を糧とする魔力食系の生物。広義の魔法生物(魔力によって本体の七割以上を構成している、あるいは生命の維持および活動の大半において極めて高い頻度で魔力が密接にかかわるものを指す)に分類される。

 主な機能は捕食行為による自己の維持および修復と分裂による増殖。寿命は無く修復能力を超えた損傷か核の破壊によって停止する。


 シロネブリという名は元々一部地域で用いられていた俗称が広まり定着したものであり、それ以前に記述された資料の殆どにおいては骨食み(ほねばみ/ボーンイーター)と表記されている。


 外観はやや黄色がかったくすんだ白色をした饅頭型の毛皮の塊。

 毛皮と歯、二つの核結晶によって構成される。可食部がほぼなく保有魔力も非常に少ないため他の魔物に意図的に襲われることはほとんどなく、警戒心が薄い。

 他の生物の活動に巻き込まれて結果的に負傷することが主な死亡要因で、それを避けるため活動する生物の少ない早朝と夕方に活動が活発になる。休息中は他の生物との不要な接触による事故を避けるために狭い場所に入り込むことを好み、適当な隙間がない場合は天井付近の角などに密集していることが多い。

 人が生存可能な環境であれば問題なく活動が可能だが極端に湿気の多い場所は好まない。

 群れをつくることはないが、快適な環境を求めた結果としてある程度まとまった数で行動している姿がよく見られる。


 毛に見える部位は体内に取り込んだ骨の粉を分泌物で細い糸状に固めたもの。保持に必要な成分に魔力が関係しているため死ぬともろくなり崩れ易い。また、分泌物は水溶性のため水を掛けると溶ける。毛穴にあたる部分は非常に小さく、その皮は滑らかである。

 この骨毛の色は取り込んだ骨に直接影響を受けることが過去の文献によって確認されている。

 糸状に加工された骨の粉は衝撃を緩和し外傷を避ける防護の役割と動物のヒゲのような感覚器官をかねている。それらを失う危険性から水を避ける傾向があり、雨の当たらない遺跡内部や洞窟など住み着く個体が多い。

 骨と共に取り込んでしまった異物は、粒子の小さなものは骨の粉に混ざって毛として体表から排出され、大きなものはある程度体内に溜めてから分泌物で固め口から吐き出す。


 魔物、動物問わずに骨を食べる様子から誤解されることが多いが、彼らは骨を消化吸収しているわけではなく骨に含まれる微量の魔力を吸収して糧としている。(スケルトンが自然発生することから分かるように骨には魔力を吸着し易い性質があるため、動物の死体などの骨も時間がたてば微量ではあるが魔力が含まれるようになる。) 

 新鮮な死にたての骨よりも時間がたち魔力も抜けた劣化した骨を好むように見えるが、実際のところは捕食に適した硬度のものを選んでいるだけであり魔力自体は多く含まれているものを好む傾向がある。ただし、あまり高い魔力濃度のものには核結晶に影響が出るため近づかない。


 本体下部にある口は円形で、同心円状に四重にやすり状の極小の歯がびっしりと並ぶ。非常に柔軟に動かすことが可能であり、骨に接触させた状態で細かく収縮を繰り返して表面を削り、中心部から粉を吸い込んで内部へ取り込む。

 口を閉じた状態では歯は体内に隠れて見えなくなる。また、歯同士をすり合わせてめに詰まった骨の粉を取り除くことがあり、その際に歯軋りに似た音を立てる。

 この歯は移動にも用いられ、接触した物体に歯を引っ掛けて支点とし、口全体を芋虫のように波打たせ蠕動させて前進する。体が軽いこともあり木の幹などでも難なく登れるが、金属やガラスのように滑らかな面では移動が困難になる。


 複眼状の二つの結晶は通常のゴーレムで言うところの核にあたる。

 極小量かつ低濃度の魔力を含む極めて小さな結晶質の粒の集合体であり、一定以上の強さの魔力を浴びせられると一時的に機能不全を起こし麻痺する。

 外界の認識はこの核結晶による魔力の感知と骨毛に加わる圧力によって行っている。骨毛の感覚はさほど鋭くはないが魔力感知は精度が高く、魔力の質を見分けて魔物や人間を個別に識別することが可能。

 知能は小精霊と同程度で、犬猫よりも若干劣る。

 シロネブリ同士が顔を接触させた状態でじっといることがあるが、これは核結晶同士を直接接続することによって何らかの情報のやり取りを行っていると見られている。


 分裂を開始する条件は一定の期間継続して規定量以上の魔力を摂取し続けること。

 分裂の初期段階ではまず内部に向かって核結晶が成長をはじめるが、この際途中で魔力が足りなくなると成長は止まり結晶は元の大きさに縮む。

 十分に結晶が成長すると第二段階に入り、体内で結晶部分とその周辺を残して皮が剥離し一時的に二重の構造となる。この剥離期間中にはシロネブリは魔力の吸収を行わず、移動も控える。

 皮の剥離が終わると最終段階となり、伸びた結晶と残りの皮が切り離され内側の皮が口から吐き出されて分裂が完了する。なお、新しく吐き出された直後の個体は骨毛を持たない。

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