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ノスタルジック 小学生編 遠き山に陽は落ちて

作者: TKN

とても田舎の町の1人の小学生の思い出

田んぼのあぜ道が遠くまで続いて木製の電柱がいつまでも続いてる感じの通学路、学校までは6キロくらいの距離を歩いて通った。 小さい体に大きなランドセル背負って、重たかった。毎朝、学校の始まる2時間前には家を出てた。そんなことを久々に帰ってきた、私の故郷で思いだした。少子化が進んで合併した小学校は大きかった。 入学式の次の日から毎日が冒険と初めての出来事で楽しい毎日だった。私は、窓の外を眺めた、時刻は夕方で空の色がオレンジに変わり始めていた、私の記憶は小学校の幼い日の帰り道の出来事を思いだし始める。学校が終わったら、校庭で遊んでから皆で帰ったいた。 田んぼのあぜ道の用水路の生き物を捕まえたり、あぜ道に咲く花を摘んだり、花の首輪を作ったりして寄り道しながら皆で家に帰っていた、1人ずつ家が近くなると一緒に帰る人が減っていって、最後は私1人だけになってしまった。ある日、寄り道し過ぎたせいで外はもう真っ暗になって私は怖くなって泣きながら、走って帰った。外灯も満足に無い道だ、大人になった今でも怖いだろう、その日から私は外が明るいうちに帰るようにした。その時はいつも図書館で借りた本を読みながら帰っていた。 農作業から帰るおじいさん、おばあさんの声かけが暖かかった、本に集中し過ぎて田んぼに落ちかけたのは良い思い出。 ある日授業でリコーダーを習った、早速、リコーダーを吹きながら家に帰った。 ドレミファソラシドも満足に吹けないし、綺麗な音も出せなかった

毎日吹きながら帰ってるうちに私は上手になった。吹いてた曲はふるさととか、校歌だったと思う。もう1度リコーダーを吹きながら家に帰りたいと思っても同じ時は来ない、帰り道の中でも私の記憶に一番残っているのが帰り道の夕焼けだと思う。 山際に落ちる太陽、いつも違う形の雲とあっている空の色、田んぼに水を張っていたとき太陽が反射してキラキラ輝いていた。あの頃の私が一番輝いていた錯覚、まだ見ぬ明日へとでも言いたいほど明日への期待や希望に満ちていた空の色だった。私だった。 1人で帰らなかった日々もあった。あの子のことを思い出す。私の家の近くには空き家があった。ある日、両親の仕事の都合という理由でその子が家の近くの空き家に越してきた。その子の父は山奥の発電所に一時的に所長として赴任してきたらしい。 家が近くだから、その子とは一緒に帰った。

その子はリコーダーがとても上手だった。 その子が教えてくれたいくつものメロディーは今も心の中にある、中でもお気に入りはグリーンスリーブスという曲。

あの子と手を繋ぎながら影の背比べをしたりした、あの子は秋が終わる頃すぐに引っ越してしまった。その前の日に、今日の日はさようなら、また合う日までという歌詞の曲を吹いたのが最後だった、あの子にまた会えるって、私は当時思っていたと思う。あの子とはあの日から一度も会ってない。 何で連絡先聞かなかったんだろ? あの子の名前をよく思い出せない悲しさ。 あの子との思い出が薄れていって、ランドセルが小さくなった頃にはあの頃、夕焼けを見たとき抱いた気持ちを忘れてた、同じ様な風景の通学路が嫌いになってた。 テレビで見る都会のへの憧れ。 何にも無い自分の町も嫌いになっていった。中学に入ってもその気持ちは変わらなくて、高校は都会の学校に行った、大学も都会の大学に進学して、就職も都会でした。それでも何年かぶりにこの町に帰って来たのは理由があった。この町も再開発が今年から始まって町の景観がガラッと変わって都会になるらしい。何となく最後に再開発を行う前の町の風景を見ておきたかった。そうだ!!リコーダーを吹きながら通学路を歩こう。あの頃と変わらない景色に新鮮さと感動を覚える、あの頃と同じ空の色、田んぼの水面に反射する太陽の光。 まるで小学生だったあの頃にタイムスリップしたみたいな。 何だか目の前の景色が滲んでくる、こんな綺麗な景色を何で嫌いになっちゃったんだろう? 何でもっと見ておかなかったんだろう? 無意識のうちに心に植え付けられていたノスタルジックな気持ち、都会の便利さの中にいてもこの景色は忘れないだろう。 思い出せるだろう。

私にとって心の原点であって道しるべのひとつになるであろう思い出たち。 夕陽が輝いて、私も輝く錯覚、夕陽はまだ見ぬ明日への希望に満ちている色をしていた。 この色を忘れない限りきっと明日を愛せる、そんな気がした。

今回が3作目です。 頭に浮かんだアイデアを即興で執筆したので変なところがあったりすると思います。 しばらく、学生が主人公の短編をたくさん書いていきたいです。感想やアドバイスよろしくお願いします。

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