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学校での嫁入り。


これから、学校である。


「幼稚園!友達いっぱいできるかな?」


「‥そんなにさわぐなよ。」


そう、このマイスイートエンジェルと一緒に‥!


誠くんは目をきらきらさせて幼稚園に行くことをすごく楽しみにしているようだ。

鷹司くんは口こそ大人ぶっているけど、そわそわ、そわそわ。体を揺らしている。そんなの見せられたら幼稚園に行くことすごく楽しみにしてるじゃないですかやーだー


私の通っている高校は少し変わっているのかも知れない。幼稚園の子と高校生、小中学生も登校時間か同じなのだ。私としては、私が出て行くと二人きりになってしまうから、とても助かるのだが。


それに、両手に花状態で登校できるかも‥‥!


そんな妄想をしていると誠くんが手を握ってきた‥キター!両手に花キター!こっちを見上げてへにゃーと笑う誠くんにでれでれの笑みを返した後、期待を込めて鷹司くんを見る。だが、鷹司くんは目をそらして。


「お、おれはつながないからな。」


「えー!いいじゃーん、ねーねー繋ごうよーおててだしてよー。」


「つ、つながないからな!」


なんというツンデレ属性、だが私はしつこいぞ、しつこすぎるよ?しばらく、だだをこねていたら仕方ないな、という感じで鷹司くんが手を握ってくれた。

はぁん、幸せ。どうしよう、やっぱり手を繋ぐのやめようかな?なぜかって‥‥愚問です、鼻血出したら押さえられないでしょうよ!


にこにこした誠くんと、若干ふてぶてしい顔をしている鷹司くんに挟まれた完全にロリコンショタコンと顔に書いてありそうなぐらいの顔をした私は、仲良く学校に向かったのだった。‥この中で一番浮かれているのは私だと思う。




大きな門の前に立ち止まって、近くの看板に書いている見取り図で幼稚園の場所を確認する。‥‥!やだ、私の教室から幼稚園の庭とか見れるんですが!え、どうしよう授業中に鼻血とか出したら‥‥!って考えたら今日席替えじゃないですか、窓際になんなかったら先生呪ってやる。


「お姉ちゃんどしたの?」


「あ、ああ、すまんね誠くん。なんでもないよ‥‥じゃあ幼稚園に行こうか。」


「はな、て、はなせよ。」


離しませんが何か?


若干強めに鷹司くんの手を握るとぷくっとほっぺが膨れた。よし、この可愛い生き物をお持ち帰りして食べてしまおうそうしよう。


誠くんと鷹司くんが少し口げんかをしてる、それに、挟まれた私‥なんて幸せな時間なんでしょうか!


幼稚園の近くに近付くと、エプロンをつけた先生がいたので誠くんと鷹司くんの手を、名残惜しいけど、渋々離して、先生によろしくお願いしますと頭を下げた。


「‥あれ?お姉ちゃん一緒じゃないの?」


不思議そうに首を傾げる誠くん、天使以外の何者でもないことを再確認して、私は高校生なんだよーという話をする。


それをきいた誠くんはふーん、と言って少し寂しそうだった。休み時間とか、帰りは一緒だよ、と言い聞かせると少し元気になったようでよかった。


鷹司くんはずっと私の服の裾を握っていたので、もしかしたら人見知りなのかもしれない。


誠くんと鷹司くんが幼稚園に入っていくのを見送って、私もそろそろ教室に行くことにした。



教室に入ったらまず、自分の席に座って本を読む。それぐらいしかやることがないからなぁ。

ぱらぱら本をめくっていると、先生がきて朝の学活を初めて、席替えのお時間となった。


「はい、ひいて。」


「‥‥しゃあ!」


「ひっ」


先生から差し出された割り箸で作られたくじを引いて、引いた番号を黒板にかかれた番号と照らし合わせて、声を出してガッツポーズをした。前から二番目の窓際。通路側だけど、窓際なのは変わりない‥‥!


顔がにやけるのを感じながら、机を移動させた。移動させてからは、ずっと窓をガン見していた。途中で人が移動してきて、目の前を横切ったのを邪魔だなぁと思いながら体を動かして窓を見る。


するとその人物も私が動いた方に動く、何回かそれが続いて‥さすがに周りもひそひそしてきた。私はようやく窓から意識を移して、目の前にずっといる人物を認識する。


目の前には女子の制服、そして、隣の机に置いてあるのも、女子が使いそうな筆箱。‥‥男子の人数が足りなかったのかな?視線を上げて顔を見ると‥‥おい、おいおいおいおい。


「来ちゃった。」


にこり、笑ってくれる前の学校でのマイエンジェル。いやいやいや‥‥ふんわり笑う笑い方、首を傾げる仕草、桃色がかった、緩いウェーブの長い髪。


このゲームの主人公が関係ないとこにきちゃいけないでしょう‥‥!


「あ、あああ彩乃ちゃん?!な、なに、うぇ!?」


「落ち着いて花ちゃん。私はね、頑張ってここまできたの‥‥花ちゃんのお嫁さんになるために。」


「アイエエエエエエ?!ナンデ?オヨメナンデ!?」


あ、彩乃ちゃんが壊れたぞ。私にはなにもできないじゃないか‥そもそも女同士だし!


なんでここの人たちはお付き合いすっ飛ばして結婚に行き着くんですかねぇ‥‥!


「あ、彩乃ちゃん、いいかね、女同士は結婚できないんだよ?」


「え?嘘だ、お姉ちゃんは出来るって言ってたよ、ゲームでは当たり前だって。」


「いやいや、仮にゲームだとしてもあり得ないってー‥ゲーム?」


‥まさか、それはこの世界の事じゃないかな‥まさか、そんな訳ないな、だってこの世界ではいろんな事が矛盾してるし、私だって悪役になってない。悪役になっていないことで、マイエンジェルにも会えている。


そしてヒロインである彩乃ちゃんと仲良くなったのか仲良くなれなかったかわからないけど、接点があって移動教室に一緒に行くぐらいの仲だ。


私は彩乃ちゃんに嫌がらせをしたあと、それがバレて肩身の狭い思いをしながら学校生活を送るはずだったのが、なぜか転校してここの学校にいる。


そして、攻略対象である人達がなぜか遊びに来ていたり、そして、このヒロインである彩乃ちゃんがなぜか、私のことを追いかけてこの学校に来たらしい。


「‥へ、へぇーそーなのかー‥ど、どんなゲームなの?」


「ん、あのね、乙女の花園秘密の花弁を暴いてっていうゲームでね、女の子がいっぱいでるの。」



あ、やっぱ違うわ、お姉さんが百合ゲーが好きなだけだわ。




ちなみに男の子のモデルは身近にいるいとこです。‥少し不自然なんですかね‥(・_・?)

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