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掌編小説

消神(けしがみ)~死神からの伝言~

作者: 風富来人

 オレは死神のクレイド。死を司る神の一人だ。

 人間というのは死を恐れてオレ達死神のことを忌み嫌う。

 しかし、オレ達死神ですらも恐怖する存在、消神(けしがみ)のことをご存知だろうか?

 死神は、命を刈り取る行為を生業としているが、決して魂までは刈り取らない。

 魂が残っていれば天国または地獄での順番待ちの果てに輪廻転生のチャンスが訪れる。

 最も罪悪人の魂の転生は物言わぬモノへの転生だったりもするわけだが……。

 それでもこの世にまた改めて生を受けるのはとても幸運なことだ。

 しかし、消神はオレ達死神のように優しくない。命どころか魂までも刈り取る。

 輪廻転生を許さず、子孫を残すことも許さず、この世に何一つとして残さない。

 消神に目を付けられたら最後、待っているのは「死」ではなく「無」だ。


 すまない、もう少しだけ待ってくれ。


 私事で恐縮だが、そろそろさよならの時間が近づいてきた。

 今オレの首元には大鎌が押し当てられている。

 死神のオレの首元に大鎌が押し当てられている。なかなか滑稽な状況だろ?

 そう、君達人間に消神の存在を教えようとしたためにオレは消神に目を付けられた。

 命懸けどころか、魂懸けになっちまった……。

 オレの名はクレイド。心優しき死神。できればオレの名を覚えておいてくれ。


 あば


 <了>

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― 新着の感想 ―
[一言] まさかの落ちで驚きました。 ショートショートは落ちが全て。どれだけ早く、どれだけの落差で、どれだけ落とせるかにかかっているものですが、そいう言う意味でも素晴らしいと思いました。 特に、死神…
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