プロローグ
初投稿、しかも遅筆、なおかつ思いつきで投稿しました。
生暖かい目でご覧下さい。
そう妄想したことは誰にだってある。
高校の、しかも三年の夏。一般的な進学校ならば誰もが将来について考えているであろう季節。俺は何も考えてはいなかった。考えることから逃げていた。
親には学校で勉強をしていた、部活で遅くまで練習をしていた、友人の通う予備校で勉強していたなどと、当然のように嘘をつき、現実から逃げた。
「常識的に考えて、受験勉強すればいいじゃない。」
友人は皆決まってそう言うが、俺だって別に勉強が嫌いなわけではない、はず。
怖いだけだ。
頑張ったから実らなくてもそれは無駄にはならない。そんなことを言う奴ばかり。お前らは何もわかっちゃいない。
いや、違う。
勉強をしない方がもちろん後々とりかえしのつかないことになるだろう。勉強しなかったことではなく、現実から逃げたことが。
「生きてりゃなんとかなるよ。」
生きるってことは逃げないことではないのか。生きた心地がまるでしないとはまさに今の状態を言うのであれば、俺は死んだも同然ではないのか。
そんな不毛な脳内会議を今日も繰り広げ、時間だけが過ぎていく。