表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『転生獣医の異世界もふもふ開拓記』〜なぜか精霊たちと最高峰の牧場を作ることになりました〜  作者: eccen.


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/50

第7章「魔法の道具と発展の兆し」  第1話「精霊の知恵と、魔道具の芽」

春の柔らかな陽光が、ハルトの牧場を優しく照らしていた。襲撃事件を乗り越え、牧場には再び穏やかな空気が戻っていたが、ハルトの胸には新たな決意が芽生えていた。


――この牧場を、もっと便利に。もっと優しく、誰にとっても居心地のいい場所にしたい。


「なあ、シエル。……“魔法の道具”って、作れたりしないのか?」


ハルトは、昼下がりの鶏小屋の前で、小鳥の姿のシエルに問いかけた。シエルは首を傾げると、翼を広げてふわりとハルトの肩に降り立った。


「作れるよ? でも材料と魔力、それに“仕組み”が必要。魔道具って、ただの道具じゃない。『目的』と『想い』が込められてないと、うまく動かないの」


「目的と想い……」


ハルトは小さく呟いた。昔の獣医としての記憶がよみがえる。過酷な労働環境、効率優先の治療方針。それでも、必死で命に向き合った日々。


だからこそ、今はのんびりと――だが、確かな想いを込めた道具を作りたかった。


「よし、やってみよう。最初は簡単なものからでいい。動物たちの負担を減らせるような……自動給水器とかさ」


「そういうの得意な精霊、呼んでみる?」


シエルの提案にハルトは驚いた。


「呼べるのか?」


「もちろん。私だけじゃなくて、他にも“ものづくり系”の精霊っていっぱいいるんだよ」


その日から、ハルトとシエルは小さな精霊たちを集めて、魔道具の試作を始めた。まずは、畜舎の温度を一定に保つ装置。魔力を込めた石を用いて、動物たちが快適に過ごせるよう調整する。


次に挑んだのは、自動給水装置。水場に小さな魔法陣を描き、動物たちが近づくと自動的に水が注がれる仕組みだ。


「す、すごい……本当に動いた……!」


ハルトの目は輝いていた。失敗と試行錯誤を繰り返しながらも、少しずつ実用的な魔道具が完成していく。


村人たちの関心も高まり、見学者がぽつぽつと牧場に足を運ぶようになった。キールやセリナも驚きと関心を示し、ガルドナ領の役人すら視察に訪れ始める。


その夜、ハルトは納屋の屋根の上でシエルと肩を並べ、星空を見上げていた。


「俺……ちゃんと前に進めてるかな」


「進んでるよ。少しずつ、でも確かに。ハルトの“想い”が、形になっていってる」


小さな牧場に、ひとつ、またひとつと、魔法の灯がともっていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ