8話 朝礼&同率1位の衝撃
6月初旬。全校生徒が体育館に集まる朝礼で、校長の声がマイクを通して響いた。
「次に、素晴らしい生徒の取り組みをご紹介します。投資同好会がゴールデンウィーク明けから運用を開始し、わずか1ヶ月で57万円の利益を上げました」
体育館全体がどよめいた。
「その利益の一部を使い、3年生全員に、ノート5冊セットと消しゴムを順次配布します。後輩が先輩を思う心、とても美しいと思います」
晴夏は周囲と同じように驚いていた。
(投資同好会…。美澄さん達の…?)
クラスの子達の話が晴夏の耳に入ってきた。
「受験もあるし、ノートは沢山消費するからマジでありがたいなあ…」
「うんうん。テスト期間中はバイトできないし、めっちゃありがたいよ〜」
「ほんと、神対応だよねー」
(始めたばかりなのに、もうみんなの心を助けてる…。同好会のみんなはすごいなあ…)
ーーそして、配布当日。
同好会メンバー2人が晴夏のクラスにやってきた。同じクラスでサッカー部部長をしている男子生徒が、すぐに彼女達の手伝いに向かっていった。
「おはようございます、先輩方。投資同好会の佐藤と柿本です。ノートセットと消しゴムを配りに来ました」
「ありがとう!俺も手伝うよ!」
(ボランティア部の柿本ちゃんだ…。元気そうで良かった)
「配るの大変だから、左端から1列ずつ、順番に取りに来てくれー!」
サッカー部部長の声に従って、みんな順番に取りに行った。
やがて、晴夏の番が来た。
「はい、白石先輩。ノート5冊と消しゴムです!…実はこの配布は、美澄さんの提案で実現したんですよ〜」
「そうなんだ、ありがとう!」
晴夏は輝く笑顔で応えた。
(美澄さんは、周囲の心を温める天才なんだなあ…。お守りにして、テストを頑張ろう!)
ーーそして、期末テスト終了後、成績発表の日。
(やった、自己新記録!)
晴夏は張り出された順位表から自分の名前を見つけて微笑んだ。
「すごいね、ハルちゃん。順位上がったね!」
「同好会で配られた消しゴムをお守りにしてたからかも。あやちゃんも相変わらずすごいよ〜」
あやちゃんに話しかけられた晴夏は、輝くような笑顔で答えた。
その後軽く話して2人で教室に戻ると、右後ろでクラスの男子生徒が驚いて立ち上がり、周りに人が集まっていた。
「やばっ!?…今後輩から連絡が来たんだけど、天使と白百合が同率1位らしいぞ!?」
「ええ、すごー!」
「あれだけ利益出してるから、投資ばかりしてそうなイメージだったが、違うんだな」
「結果を見て、2人でハイタッチしてたらしい」
「そういえばあの2人、自習室でもよく見かけるよな」
(美澄さんと百合宮くんが…。なんだか別世界の人みたいな感じがする)




