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二十八杯目〔えぇエエ!?〕
「おい、体が透けてきてるぞ」
「あ、ほんとだ」
「なんでだ?」
「たぶん死ぬんだと思います」
「は? なに言ってんの。冗談でも怒るぞ」
「冗談じゃないです。ハッキリ言ってもうムリです」
「おれはどうなる? 独りにする気か? こんなところで」
「ここ意外と快適ですよ」
「殴るぞ(バチン)」
「イタ! ヒドい! こんなにボロボロなのに!」
「まだ触れるじゃねぇか」
「……」
「――おい」
「……」
「おいッ。おいッ! おいッッ!」
「……」
「まてマテまてよ。おい、まて。コラ、起きろ」
「……」
「おいって! おま、――起きろよっ、魔王ッ」
「はい呼びましたか?(パチ)」
「――ハ?」
「あれ、いま呼びませんでしたか?」
「うるせぇ!! 寝てろッ!」
「えぇエエ!?」




