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二十五杯目〔プシュゥウウ(泣〕
「あの……今のうちに聞いてもいいですか? (いつまた壊れるか分からないし)」
「十秒ごとに十万の通話料金が発生します」
「ナビダイヤル?! しかも法外っ!」
「……。――なんだよ?」
「ええと。どうしてサトウさんは、そんな喋り方をしてるんですか?」
「……――そんなのはおれの勝手だ」
「じゃ、じゃぁ、なんでここに来たんですか……?」
「そんなのこっちが聞きたいくらいだ。定期券みたいにフリーを装いやがって」
「例えがよく分からな……――なら、なんで帰ろうとしないんですか?」
「帰ったらナニか変わるのか? どうせ、元サヤENDだろ」
「元サヤえ……。――で、でも、いつまでもここに居たら……」
「居たら、なんだよ?」
「……。いえ、なんでも」
「言いたいコトがあるなら黙って後悔してろ!」
「ええなんでっ」
「いつものコトだろうがッ!」
「そんな殺生なっ」
「……。とにかく、生きるか死ぬかは自分で決めろッ」
「今までにないほど普通のコト言ってるっ」
「うっせ! 気づいたら抜けてる空気みたいなツラでよく言うぜ!」
「プシュゥウウ(泣」