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十四杯目〔え?続〕
「これは密室殺人……」
「扉にカギはかかってませんよ」
「タチの悪いイヤがらせだな」
「……開けましょうか?」
「セクハラで精勤賞をもらったおれに不可能はない」
「精勤賞とセクハラは関係ないですから! 勘違いするような言い回しはヤメてッ」
「たなぼたならぬたなばただな」
「なにが?!」
「いいから。さっさとはじめろよ」
「ぁ、はい……――じゃ、開けます(ガチャ)」
「すかさず!(バタン)」
「なんで閉めるんですか!?」
「記憶にございません」
「政治家みたいな言い訳っ」
「……。――おい、ツノにパンが刺さってるぞ」
「サトウさんがしたんですよ……」
「そいつアホか」
「サトウさん?!」
「……――(ガチャ)――……世話んなった(バタン)」
「え?」