12/30
十二杯目〔うわああ!(混乱〕
「うわぁああッ!」
「え、え? え? なに、なにですかっ?」
「手が、手が……!」
「サトウさん?! 手、手が、どうしたんですかっ?」
「手がっ……ある!」
「……え?」
「手があるんだよッ! しかも二本もっ!?」
「ぇ。ぁ、はい。あります……」
「うわぁあ! 肩から生えてるぅうっ!!」
「エエ……」
「マジヤバい! 指が五本もあるしッ!」
「あの、サトウさん? いったん落ち着いて」
「見ろよホラ! 動く! 動くぅう!!」
「サトウさん?! おち、おちついてっ、手、手ならワタシにもあります!」
「え? うわ、ほんとだッ」
「指だって、ちゃんとホラ五本――あれ? 四本だ。え?」
「一本足りない」
「うわああ?! ワタシ指が四本しかなぃい!? どうしてぇえ?!?!」
「おい、おちつけって」
「イヤイヤ指が四本しかないんですよ!? なんで?! どうして!?」
「足の指があるだろ」
「そんなことしたら足の指が一本少なくなるじゃ――あれ? 足の、指が……」
「ないね」
「うわああ!(混乱」