ルマの商い記 -5-
市場内には露天型のスペースと店舗型のスペースの二種類が存在している。
それぞれに特色やメリット、デメリットがある。
露店型のスペースのメリットは端的に簡潔なところがある。
まず、ただ地面だけを提供されるため許諾が下りやすい。
後は屋根屋根や仮設用の木組みなどを有償で提供を受けることで簡単な露店を出す事が出来る。
何より生鮮品や加工食品などを取り扱う事が出来る事が最大のメリットとなる。
そのためこの型の区画は様々な国の食品が集う市場として有名になっている。
また、場所によっては水道を使うことも出来るので、屋台のような店舗も多い。
この区画を訪れる客は買い物客の他に、風下の国の民たちも外食感覚で使う事が多い。
これだけのバラエティを持った食品市場は恐らく大陸に他が無いだろうと言われるほど。
この区画に食い倒れ的に訪れる観光客も少なくない。
デメリットとしては、露天であるために、天候に極端に弱いことがある。
少しでも雨が降ると地面が濡れてしまうために、棚に上げていない商品は濡れてしまって商品にならない。
それと、生の物を扱う地区では独特の臭いも立ち、それが他の臭いと混ざることが少なくない。
そのデメリットをおしても食べたいと呼ばれる品が多いのもこの地区の特徴である。
対して店舗型のスペースは見た目にもしっかりした空き店舗が貸し出される。
こじんまりとはしているものの、空間はしっかりと確保されており、商店としては十分に機能する。
店舗には据え付けの棚などを置いていない店舗や、据え付けの棚のある店舗など、いくつかの種類がある。
自分の出店したい種類の貸店舗の書類が申請時に配布されるので、その中から選んで申請をする仕組みとなる。
出品物リストとの照らし合わせなどによって審査が行われ、問題がなければ希望の店舗が貸し出される。
審査を通過しなかった場合は別の種類にするか、別途理由書を提出してその種類の店舗で申請をすることになる。
なぜそこまでしてその店舗を選ぶのかと言えば、その店舗の立地が、角地や十字路などの優良地であることが多い。
その区画は人気のため大抵は取り合いとなって、審査が被る事が多い。
そのため抽選や、審査書での審査が長引くことが普通の光景だ。
ルマはそこの無駄な競争を避けるために、あまり競争の少ない地点を選んでいる。
そして、この区画のデメリットとしては商業許可に加えて店舗使用許可を併せて取らなければならないため、申請に時間が掛かる事が第一に挙げられる。
また、店舗における事故発生時への保証への担保金が相応に必要だということもある。
これだけの多い段階を経てようやく手に入れた貸店舗のため、取り扱う商品も必然的に高くなる。
時折、全く同じ商品が露天区画でも見られるが、金額的には半額近いものを見つける事がある。
それでも露天区画の商品は売れず、貸店舗区画の商品から売れていく事が少なくない。
それだけこの区画で売られている商品には価値が認められていることになる。




