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統一戦線記 -ルマの商い記-  作者: 八樹聡
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ルマの商い記 -18-

夕暮れ時。

日が沈む頃になると、大通りでは店仕舞いの準備が始まる。

今日で出店が終わりの店舗となると、売り尽くしを掛けた売り込みに拍車が掛かる。

そこでは安売りとまでは言わないものの、多少の値引きがされて並び始める。

それを目当てにして買い込みに来るものも多い。

そうは言っても必ず値引きされるとも限らず、また品には当たり外れもあるため値引きに当たれば幸運程度。

対外の店舗は値引きをせずに再び別の市場へ流れていく。

そうはいっても、ここまで巨大な市場はそうそうないため、売り切りたい商人は少なくない。

売り手と買い手、双方の思惑が飛び交う激しい情報戦が繰り広げられる。

売り切りたい店主側は何とかして売ろうとするものの、原価や利益を考えた値段提示を行う。

買い手側としては、狙った品物をいかにして安く手に入れるかを考えた値段提示を行う。

双方の譲り合いと、鬩ぎ合いが如実に見られる。

この買い物の方法は双方削ったものに比べて得られるものが少ないため、好まれない。

けれども客商売である以上、この手の客も相手にしなければならないのが商人の辛いところ。

過去には夜通し粘り通した挙句に好みの値段にならなかったと帰った客もいたという。

こういったことがあっても、延長申請は認められることはないため商人にとっては踏んだり蹴ったりだったという。


そんな緊迫した様子がある一方で、また別の売り切る姿もある。

それがまとめ買い、まとめ売りという商売だ。

複数点をまとめて買うことで一点の単価を下げようという試みだ。

この買い方をするのは商売上手と呼ばれる客で、商売人からは好まれている。

この市場でまとめ買いに当たった商売人はこの後も良い客に恵まれるとも言われており、とても歓迎される。

それがたとえ小物であっても、売り切りのタイミングでまとめ買いを呼び込みたい商売人は多い。

まとめ買いがそれほど見られないのは、売り切りでないタイミングでの仕入れがほとんどであることもある。

それ以上に、売り切りのタイミングというのが夕暮れ時の暗くなり始める時間であることも大きい。

市場には夜明かりが置かれていないため、日が暮れると品物が良く見えない。

そんな中でまとめ買いをするような客はよほどの目利きか、品を気に入ってするしかない。

さらに夜になれば店の看板も見にくくなってしまうため、次に店を置いた時に看板を覚えてもらえにくい。

それだけ売り切り時のまとめ買いは、幸運の使者と同じなのである。


ルマはそんな商売の様々な姿を眺めながら、市場入り口近辺の夜市場の方へと向かっていくのであった。

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