壱 ◇メロー◇
我の名はメロー
髪の毛はずっと伸ばしっぱなしで歩くとき自分の足で踏むくらい長くなっている
「そろそろ切らないと不便だな」
髪はずっと真っ白な白髪だ。一度違う色にしてみようかと悩んではみたがめんどくさくなってしまいやめた。
そう、我はめんどくさがり屋なのだ。
カチカチと手元の懐中時計が1秒、1秒と時を刻む。
人はなぜ生きているか。
たまたまこの宇宙の中で最適な気温、湿度、水、が好条件で発生しているから生息しているにすぎない。
特に意味はない。道路のわきに生えている雑草や、河原に転がっている石ころくらい意味がない。
それ故に、生涯はつまらないものだ。
我は、人のように寿命というものは存在していない。
過去に起きた戦争や愛した人や親友との別れ、憎んだ。憎んで憎んで悔やんで悔やみぬいた。
我はなぜ不老不死なのか…考えても答えは見つかることがなかった。
怪我をしたり、体の部位が欠損したらそこに治癒力を集中させればすぐに元に戻る。
「はぁ…つまらない。」
それ故に暇にもてあそばれてこの始末だ。
鳥は自由でいいな。信号や段差や崖など遮るものがなく自由に空を飛んでいる。
何かの書物で読んだことがあるな。確か最後は
「みんな違ってみんないい」だったっけ?
人それぞれ、好きなものもあれば嫌いなものがある。
100人が100人ピーマンが嫌いかと言われればそうではない。
中にはピーマンが好きなもの好きもいるだろう。
「我は、不老不死いや、孤独という道を選んでしまったんだな。」
友も家族も息子も皆先立って行ってしまった。
我は、一切歳も取らず若いままだ。
親愛なる友に言われたっけな
『メローよ。悩んで孤独になっても悲しむことはない。
孤独と友達になれ。どんどんこれから先孤独で悩むことが増えてくる。
その時友達になっていれば孤独はきっとお前のことを支えてくれるさ』
「はぁ…。
もう孤独とは十分友達になったよ。
支えすぎてもらっているくらいさ。」
時間の流れは残酷だ。
ぼーっとしているとあっという間に1年、10年と時が過ぎてしまっていることもある。
我の心には空白ができてしまっている。
それも、この不老不死というふざけた能力が我の心に空白を作り出したのだ。
「死にたい…」
何回目だろうか、何回もこの言葉を口にした気がする。
我はなぜ不老不死など望んだのか。過去の自分をどれだけ呪っても不老不死が消えるわけではない。
後悔だ。悔やんで悔やんでやっとわかる。いままでもそうやって生きてきたはずだったのに…
……ふと、思いつく。
「そうだ。空白があるならその空白を埋め尽くせばいいじゃないか」
時間は有限、否、我には無限の時間が存在する。そう無限だ
少し、ほんの少しだけの間でいい。気を紛らわせる為に遊ぼう。
ただの暇つぶしだ。生涯において暇つぶしは大事だ。
ずっと走り続けると壊れてしまうように生涯においても適度な休息、休み、遊びは必要だ。
「さぁ、そうと決まればさっそく遊戯の準備を始めようか」
そう言って何もない空間に画面みたいなものを表示させる。
『差出人は~そうだな。ひとまず、
・人生に飽きた人
・自分の意志で行動できない人
・引きこもりで外に出れない人』
辺りにメールをばらまいてみようか。
「ふふふ♪
さぁ、どうなるかな?」
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
君は最近ドキドキした経験を思い出せるかい?
ボクはそれ以上にドキドキすることを知っているよ?
経験は時に財産になる。その財産を一緒にこの手に入れようじゃないか?
URL://*******************************
p.s.負けたままでいいのかい?
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
まぁ、こんな感じに煽り文句をつけ足しておけば短気な奴らは乗ってきたりするんじゃないかな?
「さて、求むよ挑戦者たち
我はてっぺんで君たちの挑戦を待ってるからね♪」
今回は一人キャラクターを紹介させていいただきました。
まだまだ、たくさんキャラクターを紹介していく予定です。
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