4話
「王よ、なぜ私も連れて行ってくださらないのですか?」
俺の前に現れたのは、騎士団長で一番子供扱いを受けることが多い。女の子の白狼騎士団団長の鈴音といい静音の妹になる。そして、ヴォイスが唯一傷をつけることができないほどの防御力を誇る。攻撃力は平均的な団長格だが防御力はすべての団長が相手でも1か月は一人で渡り合えるほどには高い。まぁ、決定力が無いので最強の近距離戦士はヴォイスとなる。
「そうか?お前を連れていけば確かに俺は安全だが…この城を守るのにお前ほど安心して任せることができる者はいないからな…」
鈴音のスキルの一つに防壁というスキルがある。これを使えば鈴音であれば首都を覆うほどの大きさにもできる。
防壁:大きさは自由自在に可能(無限に大きくできる)だが大きくなる程に脆くなる。
鈴音が使うと首都を覆うほどの大きさにしてもダイヤモンド並みの高度を持つ巨大な防壁が出来上がる。
「そうですか…」
鈴音は俺が言いたいことは理解は出来ているようだ。まぁ、理解と納得は別だが…
「さて、ドロイは何時ものように好きに開発をしていてくれ。その方がお前のスピードも速いし性能も良い物ができるからな。」
そう俺が言うと、よぼよぼの痩せ細った老人が…
「そうですか。まぁ、今回のことはワシはそんなに警戒するほどのことではないと進言いたします。この星の中ではこの森が一番厳しい環境にあると調べつくしましたので…それと、近くの町はこの星では全滅寸前の鬼族が過ごしています。」
「そうか、ドロイが調べたのならもう安全は確定か…というより、本当の意味での散歩になってしまったな。」
俺が行くことの目的が無くなってしまった。まぁ、ドロイのことだからもう調べつくしてはいるとは考えてもいたが…
「さて、ならその鬼族に接触してみるか…場合によっては俺達の国の中に入れて保護してもいいからな…」
ということで、俺は森に向かって行く。まぁ、散歩程度でいいのなら。
「そうだ、この重い王の衣服は邪魔だな…解除」
そういうと、黒恵が何時もの癖で俺の鎧を脱がしてくれた。
「そうだ、暗殺部隊はもういらない。黒恵お前も要らないか…いや、お前は俺の護衛の一人としてついてくることを許そう。」
ヴォイスも鎧を脱いで何時もの服装になり統括以外はラフな格好になった。統括はスーツなのだがね…
「なぁ、大将?」
「緊張感がないですよ?ヴォイス?」
ヴォイスが何時ものしゃべり方に戻っていてそれを静音が咎める。まぁ、これも何時ものことだな。
「さて、行こうか鬼族の町へ…」
やっと出発することができた。まぁ、ドロイのおかげかリラックスして散策に行けるのでありがたいね。