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翌週
日曜日
一日swodを聞きながら男のことを考えた。
月曜日
いつものようにベンチへ向かう。男はどこにも見えず、ベンチの破片は片付けられている。まるでもともとなかったかのように。
店を開ける準備をしていた店主が、女が夜中に壊していたらしいと教えてくれた。なんだそれは、死神か。男と私の居場所を奪い、いったい何がしたいのかと苛立つ。死ぬつもりだったくせに、私は怒りを感じていた。私はともかく、あの男の居場所を奪ったものが許せない。
あの男はどうしているだろうか、何者だったのか、考えながら坂道を登る。なんとなく男は、今日もどこかのベンチで座り込んでいるような気がする。この坂道に特別な思いがあるように思えない。私と同じで何かから逃げ、考えることも嫌になってあそこで佇んでいたのかなと思う。今は私と同じように、行きたくない場所へ足を向けているのだろうか?そう思うと、あの男にも少し同情する。
遺書と証拠をバッグに入れたまま、あの男のことを考えて、私は職員室へ向かった。