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「ぐぎゃぁ~~~~~~~~~~~!」
頭上から、降り落ちてきた剣に、とりあえず、一志は悲鳴を上げてみたりする。
そこは夢。
痛い!とかは、なかったが、そのダメージは、測り知れなかったかも・・
「茉璃香さんは!!!」
そのとおりで、真っ二つにされたその時、また情景が、切り替わってしまったのだ。
「見たぞ、見たぞ、見たぞー!エンコーのげんこうはんだ!この、美少女戦士スタープリンセスアイリが、正義の名のもとに、成敗してくれる!」
「自分で言ってりゃ世話ねぇなあ!!!おおぃ!」
とりあえず、つっこんでみたりもするが、それよりもなによりも、一志が惜しむのは、僅かな残滓も残さず、消えてしまった、茉璃香の体である。
「マリカー!カムバーック!」
よほど、動揺するものがあったのか、使えない英語が、飛び出したりもしている。
「こっちを見ろーっ!わたし、知ってるぞ!学生で、歳の差があって、デートしたりするのは、犯罪なんだからな!」
「違うし!小学生に、言われとうないわ!!!」
そう見るアイリの姿は、肩と腿を大きく露出した、深紅のプレートアーマーであった。
一志の持つ、いろいろなイメージが、投映されているのか、非常に美味しそうではあるのだが・・・
もう、突如、現れた、純粋国内生産の・・・たとえるなら、松阪牛。
意を決して、やっと、一口、放り込んだところで、海外名店三ツ星スイーツに、横槍いれられたみたいな・・・
というか、一刀両断にされたわけだ。
「んがーーーっ!もういい!わかった!いちいち、ためらってた俺が、バカだったぜ!も~お遠慮せんぞ!容赦せんぞ!全部もれなく食べつくしてやる!」
「えっ!?うきゃ~~~~~~~!」
アイリには珍しい、可愛らしい、悲鳴を上げた。
姫騎士に襲い掛かるオークさながらに、一志がアイリに、踊りかかったのだった。
「キャーーーー!なにをする?!」
「じゃかましい!毎度毎度、口ばっかりで、襲ってきやがって。本当は、こんなふうに、メチャクチャになるまで、可愛がってあげたかったんじゃ!夢の中ぐらい、大人しく、オモチャになりやがれ!」
それこそ、メチャクチャであろうが・・・
「ニャーーーーー!」
露出の多い鎧姿をさらに、全裸にするような勢いで、くすぐりまくってやったのであった。
「ここがええんか!ここがええんか!この、かまって姫が!!R表記、上等じゃい!姫様蹂躙物に、塗り替えてくれる!」
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聞かなかったことにしてください。
「ニャハハハハハハハハ!」
アイリの方も、持ってた剣を振り回しているが、そんなものは、一志をより興奮させる、スパイスにしかならなかった。
止めるものがいない以上、もう、欲望のおもむくままに、一志は、白魚のようなアイリの肢体をベタベタに、触りまくる
「オラオラオラァ!!!」
止めるものは、現れなかったが・・
「見てたんなら、止めてよ!!」
いきなり一志は、なさけない声を上げた。
そこに、佇んでいた、何者かに気づいて、目を合わせてしまったからだ。
「あれ!?見つかっちゃった!」
そこにいたのは、沙江子であった・・
こういう局面で・・母親ほど、我を取り戻させてしまう存在は、ほかにないのだろうなぁ・・・
「あれ・・・おかしいな。草むらの向こうで、撮影していたはずなのに・・・」
「息子の、犯罪記録のこして、どーすんです!?」
いろいろ、前提から間違ってる、会話であった。




