クリスマス ファイト
街中のいたるところで、音楽が流れている。
時には、軽快に。
あるいは、情熱的に。
そして、ロマンティックに。
無節操に思われるかもしれないが、今宵ばかりは、浮かれてもいいだろう。
なにせ、この夜は・・
「「「「「「メリーーーーーックリスマス!!!!!」」」」」」
会場の、誰もが、一斉に、この日を祝福した。
そう、この日こそは、クリスマス。
カラフルな花火や、イルミネーション。
様々なキャラクターを乗せたパレードが始まれば、皆が、快哉を叫んだのだった。
「ああ~・・、まさかまた、ここに、来る日が来ようとは・・」
そんな中で、一人だけ、柚月一志は、感慨深げにつぶやいた。
「どうしたの?あんまり、うれしそうじゃないみたいだけど」
「いえいえ、そんなことないですよ!アハハハハ・・」
茉璃香に、そんな、心配させたら、それだけで、バチが当たりそうだが、やって来ました、ここは、ユウェンタースランド。
また、茉璃香の父のつてで、無料招待されてる、ご身分である。
「・・思い起こせば、今いる四人で、初めて、一堂に会するみたいな、ことがあったな~・・とか」
ゆえに、一志の心境は、複雑である。
「そうなの!だから、この日に、またみんなで、来てみたかったの」
なんの屈託もない笑顔で、そんなこと言われると、ますます、恐縮してしまうが・・
ならば、この日の神様に、こいつらをどうにかしてくださいと、祈りたい気分だった。
「お兄ちゃ~ん。雪だよ!サンタさんだよ!いっしょに、写真とろ」
「フンッ・・ここにくるまで、しぶってたくせに、なにに、よろこんでるのか、わからないぐらい、はしゃいで」
「お兄ちゃんと、二人で、来たかったの!アンタたちなんて、おじゃま虫なの!なによ、なによ、チケットもらったからって、子どもみたいに、ホイホイついてきて」
「人のこと、いえなーい!ヒトコトメには、おにいちゃん、おにいちゃんって、見てるほうが、はずかしいのよ!」
「ふーんだ、ほんとは、うらやましいんでしょ。お兄ちゃんが、お兄ちゃんでいてくれて。わたしには、わかってるんだから」
「ムキーーー!なんかムカツクーーー!なんかわからないけど!いろいろムカツクーーー!」
「なになに、一志君の、取り合い?だったら、私も、ま~ぜて」
「「およびでなーい!!」」
周りは、イベントだらけだというのに、こちらの方が、注目されそうだ。
何かと、からんでくる(今も肉体的に)美少女達をなんとかしてくださいと、お空の神様に、お願いしてみるのだった・・
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逆に、天罰が。下りそうだが・・




