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ミスコン その後
「ねぇ。アンタを合コンに誘えって、私が、誘われてるんだけど・・」
不承不承という顔で、園寺環は、同期生に声をかける。
「パスです。私は、なにより、体力をつけるのが、最優先なんですから。人並みに、食べたり飲んだり、歌ったりできないのに、そんなパーティなんて、いけません」
返答は、わかっていた。
講義の予習か、復習でもしているのか、ノートから、目線を上げようともしない。
でも、一般的に、ウキウキワクワクするイベントに、そんなに、キッパリ断られると、皮肉の一つも言いたくなる。
「ああ~、あんた、ショタコンだもんね~」
「違います!彼、一人が好きなんです!出会ったときの彼が、たまたま、年下だっただけです!」
里政茉璃香は、毅然として、言ってのけた。
「・・・・・・・」
この返答も、わかっていた。
環も、二度目なので、おののいたりしない。
「人に言えない恋愛してるヤツは、みんな、そう言うのよ!」
ここは、洒落た、学院内のオープンカフェ。
学院を代表する美女。
ミスコンの一位と二位の二人のにしては、いささか、華に欠けた会話だった。




