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バトルデート

「なんで、こんな所にいるの!」

「もちろん、一志君に会いに来たに決まってるじゃない。愛しい人に会いに来る。これ以上の、理由なんてないでしょ」

「お兄ちゃんは、もう、わたしと恋人なの!ほかの人とつき合っちゃいけないの!だからあなたも、近づいちゃいけないの!」

「でも、素敵な人を二人で取り合うシチュエーションも、情熱的でいいと思わない?どうしてもというなら、私は二番目でもいいから、安心して」

「できない!」

 再会の喜びから、一ヶ月。

 茉璃香は徐々に体力を取り戻して、大学に通うかたわら、こうして暇を見つけては、二人に会いに来ている。

 おかげで、そのたびにしのぶをやきもきさせて、言い争いになっては、そこを誰かに見られないかと、一志の頭を抱えさせた。

「私には、約束があるのよ。朝日が照らす病院の廊下で、今にも倒れそうな私に、一志君は優しく、次に会うときは恋人でもなんにでもしてあげるって。だから私も、それに応えてあげたいの。いけない?」

 事実をやや都合よく、美化脚色してるように、聞こえなくもないが・・

「わたしだって、海岸で、お兄ちゃんにギュってされて・・・」

 うまく言葉にできないもどかしさに、しのぶは口どもってしまう。

 言い返すとしたら、それ以上の、素敵な告白でありたいのだが・・・

 先に、茉璃香の方がピンときた。

「ひょっとして、彼の優しさをかってに解釈した、一方的な思い込みだったりして」

「う・・・」

 しのぶが涙目でひきつると、さすがに言いすぎたかなと反省してしまうが、怒りの矛先は、茉璃香に向けられることはなかった。

「お兄ちゃんのバカーーーッ!」

「ギャーーーーッ!」

 そこにいた一志に、護身用のスタンガンをスイッチを入れて投げつけた。

 最近なりを潜めていた、しのぶの暴走癖が、また顔を覗かせつつあった。


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