表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/111

「よし、巨大ロボットせん滅作戦その三」

「名称は、もういい」

 功一に一志がつっこんだが、事態は、そんなにのんきではない。

 四人は今、島の反対側の砂浜に集まっている。

「これが最後の作戦だ。海に出られたら、もう俺たちに手出しできないからな」

 その通りだが、功一が仕切るのは、なんだか気に入らない。

 作戦は、いたってシンプル。

 ロボットの現在位置と、その歩幅から、踏み込むであろう場所を特定して、そこに爆薬を仕掛けるというものだった。

(なぜそんなものが、都合よくあるかというと、あの老人の性格を考えれば、別に不思議ではない)

 狙うは左足。

 その爆発で、ロボットを方向転換させようというものだった。

 海は広い。

 進行方向を90°から200°の間で、変えることができれば、あとはロボット自らの前身で、深海に沈めることができる。

「おーし、清隆。衛星回線に割り込んで、頭上から計測だ。足裏の位置を到着時間とともに正確に割り出せ!」

「ラジャー、直ちにハック開始します」

 なんだろう、この雰囲気を楽しんでるような、この二人の性格。

「・・・ねえ、もう、わたし、110番して、おまわりさんに助けてもらったほうがいいと、思うんだけど・・」

「・・・・・・・・」

 常識的意見である。

 しのぶに、そう耳打ちされて、一志は固まってしまった。

 そりゃそうだ・・

 うかつにも、一志自身、その選択に、思い当たらなかった。

「・・言われてみれば、そのとおりなんだがな、そうなると、ここに至るまでのいろいろをあれこれ聞かれるだろうし・・・」

「それが、どうかしたの?」

「あ!?いや、なんでもない」

 事情徴収の名目で、いろいろ詮索されると、まずいことが結構あるのだ。

 一志個人の都合だが、ほかの三人に・・・とくに、今横にいる、無垢な顔をしている少女には、聞かせたくない、家庭の事情なんかが。

「とにかくっ!身内の不始末なんだよ!人をあてにするのは最後の手段だ。やれることは全部やって、そして、後悔しようじゃないか!」

 一志にしては珍しく、声を上げて言い放った。

 両腕を広げ、覆いかかる大きなものを受け止めるかのポーズで・・・ではあったが、しのぶはクスクスと笑い出した。

「一志、その腰・・」

「あっ?!」

 功一が指差したその先。

 じつは、昼間取れなくなったご大層なベルトが、まだそのままになっていたりした。

 こんななりで、かっこつけたら、まんまコスプレだ!

「とにかくやるぞ!あいつはそこまで来ているからな!」

 一志は赤面した顔で、ありったけの爆薬を担ぎ始めるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ