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何でも世界  作者: あさがお
8/8

partⅢ③

せっかく過去に戻ったのに1回目の告白の時と反応が違っただけでまたフラれただけだった。

何も考えられず、俯いてとぼとぼ廊下を歩いていると、聞き覚えのある声が聞こえた。


「落ち込みすぎやろ~」

顔を上げると、にやけた顔の関西弁の女子が目の前にいた。言い返す気にもなれず無視して 素通りした。


「諦めんのはまだ早いで。向こうからなんか言ってくると思うし」

どういうことだ?後ろを振り返ると同時にチャイムが鳴った。

「ほな午後の勉強も頑張りや~」

激励して去って行った。

5限、6限の授業中、真面目に授業を受けるあの美野さんが珍しく、教科書を盾にして寝ていた。


「放課後になっても話しかけてこないじゃないか」

放課後ブツブツ言っていると、美野さんがこちらにやって来た。


「昼休みのことなのだけど……。断ってしまってごめんなさい。」

頬を赤らめ、申し訳なさそうに謝ってきた。


「謝るなよ。俺は1度や2度フラれても傷つかないから心配するな。それより、顔が赤いけど大丈夫か?」


「だ、だだ大丈夫よ!……私が謝ったのはそういう意味ではなくて、あの時ああ言ったけど内心凄く嬉しかった。

でも恥ずかしくて思わず逆の言葉を言ってしまったの 」

じゃあもしかして……

「俺の彼女になってくれるの?」

恐る恐る聞くと


「はい…宜しくお願いします」

美野さんは小さな声で答えた。

やっと、やっと願いが叶った。関西弁の女子には感謝しないとな。今日1日をやり直したから、凄く1日が長く感じる。


「今日は一緒に帰ろう」

早速誘ってみる


「わかったわ。日直の仕事を終わらせるから先に靴箱で待っててね」

笑顔で答えてくれた。

わかった、そう答えて教室を出た。次に関西弁の女子に会ったら礼を言わないとな。


靴箱に着くと、小さな賽銭箱を首に提げて関西弁の女子が待っていた。

「どうやった?ちゃんと願い叶ったやろ?」

両手で賽銭箱をジャラジャラと音を鳴らす。

「何してるんだ?」

疑問に思った。


「忘れたとは言わせへんでー願いも叶えたし野口さんを早くよこしや」

関西弁の女子は悪そうな笑顔をした。

そう言えばテキトーにそんなこと言ったっけ?まあ感謝してるし、これで千円はかなり特だよな。

俺が千円札を賽銭箱に入れると、関西弁の女子はとんでもないことを言った。


「うちも後から気づいたんやけど、わざわざ時間戻さへんかっても結果的に2人は結ばれてたと思うでー」


「どういうことだよ」

焦って聞き返す。


「美野さんって恥ずかしがりやさんやから、何回告白しても自身がOKやのにNOって

答えてしまうねん。やから時間戻す前の告白も後日にはOKの返事もらえててんで」

得意顔で説明した。


「じゃあ俺がお金を払った意味は……」

俺は無駄だったのかとガックリした。


「まぁ、楽しい時間旅行の旅費やと思っといたら少し気が楽ちゃう?」


今後悔しても後の祭りだししょうがないか。


階段から美野さんがやって来た。

「邪魔したら悪いからうちはもう行くわ」

関西弁の女子はそうう言い残し、背を向けて反対側の廊下を歩きだした。


「待たせたわね」

美野さんが来た。

関西弁の女子の方を見ると、またいつの間にか消えたいた。

「じゃあ帰ろうか」


2人並んでお喋りしながら校舎を後にした。






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