partⅢ②
カレーが残り半分になるまでお互い無言で食べていると、美野さんが聞いてきた。
「なぜ私が食堂で弁当を食べているのか聞かないの?」
「そういえばそうだな。教室で食えばいいのに。」
俺は目を会わせないように、ドキドキしながらカレーばかり目を向けていた。嫌な予感しかしないな。
「実はね、今朝言われたことが気になったから今聞きに来たの。」何と無く凄く気になったから、そう言った。
「い、いや、放課後まで待ってくれ。」
食べるのを止めて必死に懇願する。
「嫌よ。日直の仕事終わらせて早く帰りたいの。」
そもそも友達でも無いし、言うことを聞く義理はないわ。
「わかったよ。言うから食べ終わるまで待ってくれ。」
俺は急いでカレーを食べ終えた。
「こっちに来てくれ。」
俺は美野さんを食堂から連れ出し、外へ出た。
目的地に向かう道中、美野さんは俺を怪しい目で見てくる。不安になり聞いてみた。
「なにかな?」
恐る恐る聞いてみると、俺とほとんど話したことが無いのに、なぜ突然自分に話しかけてきたのかとのことだった。
返答を考えていると、体育館に到着した。中ではバスケ部が昼練をしていた。熱心だなあ。
ここら辺でいいかな。人気がない体育館の裏に美野さんを連れてきた。
「その、話って言うのは…、」
美野さんは腰に手を当てて面倒くさそうに俺が言うのを待っててくれている。
2回目の告白もかなり勇気がいるんだな。俺は思いきって告白した。
なかなかのものだったと自分でも思う。ところが、
「とても嬉しいけれど、お断りさせて頂くわ。」
用はそれだけ?そう言って美野さんは俺を残して去って行った。
「嘘…だろ?」
1人残された俺は魂が抜けたように突っ立っていた。