partⅠ②
誰だよ、廊下の真ん中にバナナの皮を捨てた奴!
こういうのは漫画やアニメだけのフィクションだと思っていたのにな~
半ギレになりながらも、立ち上がってバナナの皮をちゃんとゴミ箱に捨ててから、どの教室にも誰も残っていなかったので職員室に行ってみた。が、教師も誰もいないもぬけの殻だった。
というか、以前から職員室を使う者が居なかったような寂しい空間が広がっている。俺の知っている職員室じゃなかった。
えっ !?えっこっこれって、ヤバいってことか!?
今更になって自分に置かれている状況を理解した。
瞬間、俺は恐怖に駆られ、今いる3階から階段を踏み外しそうになりながらも素早く駆け降り、脱出を試みようと靴箱に向かった。そして息を切らしながら靴箱の前までたどり着いた。
しかし、靴箱前に幾つもあるドア全てが閉まっていて、しかも鍵でしっかりロックされていて、それ自体も解除することが出来なかった。
「何で!どれもドアが開かないんだよ!」
イラついてドアを蹴ったが、音が響くだけで変化は起きなかった。
ドアが駄目なら、と近くの窓を開けようとしたが、やはりロック字自体が固定されていて開けることができなかった。
「とりあえず、一旦!、一旦落ち着こう…」
深呼吸を何回かしてから無理やり冷静になってみる。
なぜ職員室には人が一人も居なかったんだろう。空も見ていると気分が悪くなりそうだし、窓と外に繋がるドアもこの様子からだと校舎から出ることは難しそうだ。謎過ぎるだろ。
少し離れてるけど、自分の教室に戻ってみるか。何か分かるかもしれない。
「ん?」
見間違えか?
2階に階段を上ったとき、一瞬そう思った。いや、でもそれを見間違えることはないか。さっきも見たし。
そこにはまたバナナの皮が落ちていた。今度は1つだけじゃない。長い廊下に等間隔でバナナの皮が落ちていた。