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筋肉が往くVRMMO  作者: 多摩季 熊
第一章:幕開
17/23

16.依頼達成

 



「ふぅ……ごちそうさまでした。いやぁ、やっぱり店長が作る料理は最高ですわ」




「はっはっは。そういってもらえると嬉しいよ」




 作り甲斐があるというものだ。




「あっ、そろそろ帰ってログインしないと」



「ほどほどにね。休み中の課題もしっかりやるんだよ」



「もちろんです!それじゃ店長、また夕飯食べに来ますわ」



「うむ。またね、リュウジ君」




 ありがとうございましたー、と店を出るリュウジ君。時刻は現在7時30分。そろそろお客さんも増えてくるし、珈琲豆の焙煎を始めておこう。


 さて、今日も1日頑張ろうか。







◇◇◇






 こんばんは、諸君。



 時刻は現在21時30分。仕事と夕飯と筋トレを終え、今ログインしたところだ。


 就寝時間まであと1時間半しかないが、ゲーム内では3時間もある。



 それに、ゲーム内で就寝を済ませれば……うむ。我ながら名案だね。


 半日くらいの時間はありそうだ。



 さて、私は今、昨夜ログアウトした場所……すなわち、東門に居るわけだが。




「剛天さん……いや、剛天。今まで何処に行ってやがったこのやろう!!」




 いつも以上に賑やかな門番君がこちらに走ってきた。



 うむ、なかなかに効率の良い筋肉の動かし方だ。これならば、かなりの速度が出るだろうね。




「だがしかし門番君、背筋をもう少し伸ばして肩の力を抜きなさい。大臀筋を引き締めて、腕は肩甲骨周りから動かすように」



「いやいや、そんな話はしてねえ……あ、こんな感じですか?」



「うむ、実に良い感じだね。その走りなら、獲物を咥えた黒狼君を捕まえられるよ」



「は、はい……?黒狼ですか……?」



 うむ。と言っても、門番君が黒狼君を捕まえるには腕力が少し足りなそうだがね。


 そうそう、黒狼で思い出した。



「そう言えば、ギルドにクエスト報告に行ってなかった。ちょっと行ってくるよ。ではまた会おう、門番君」



「あ、 はい……いやいや待て待て待て待て!!今日という今日は……ああ、無理だ。……もう転勤したい」




 告げるや否や、私は疾走する。門番君が何か言っていたような気がするが、よく聞こえなかったね。ギルドにクエスト報告を終えたら、またすぐに戻るとしよう。



 あと……見ているか、門番君。これが私の最速の走り方だ。腕の振り方、伸ばした背筋、そしてこの流動する筋肉……実に美しいとは思わないかね。


 まあ、もう見えていないだろうけどね。はっはっは。




 などと考えている間にギルドに到着した。


 カウンターは……お、今日も強面君が居るね。そこにしようか。




「また会ったね強面君。今日はゴブリン討伐のクエスト報告に来たよ」



「……強面君……?……まあ良い、討伐証明部位を見せろ」



 ゴブリンの両耳を20つ見せる。これでクエストは完了だね。



「ご苦労さん。報酬の2000ゴルドだ」



「ありがとう。あと、ギルドではモンスターの素材の買取をしていると聞いたのだが」



「ああ、それなら1番奥のカウンターが素材買取所だ」



 礼を言ってカウンターを後にする。

 向かうのは奥の素材買取所とやらだね。

 買取所には、眼鏡を掛けた老人が一人座っていた。



「ご老人、この素材の買取りを頼む」



 渡したのは黒狼君の毛皮とオオツノウサギ君の角だ。私が持っていても、役に立ちそうにはないのでね。


 老人は丁寧に素材の状態を確認し、全部で3400ゴルドで買取ってくれた。


 これで私の所持金は合計7000ゴルド……ふむ、少々心もとないね。



 狩りにでも出かけようか。



 その前に、約束通り門番君のところに行ってからだけどね。




 これからの予定を考えつつ、私はギルドを後にした。






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