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第1話 お疲れの少年

どうも神薔薇です。


ギリギリ今日の間に投稿出来ました!!

良かった本当に。


まあとりあえず読んでもらいましょう。


では、どうぞ!!

 俺、刀薙玲雄の今日という1日は厄日だった。


「はあ…………」


 俺は今日何度目か分からないため息を吐いた。

 最初の間は何回ため息を吐いたか数えていたが、10回を超えた辺りから数えるのは辞めた。


「ここって、ウィシュガルだよな。多分。なんか運転してたやつが言ってたし。はあ………………」


 俺は周りの景色を見渡してまたため息を吐く。

 そのため息を吐く原因は、この広い綺麗な砂浜と砂浜以上に広くて綺麗に空の色を映している海、そして砂浜にたくさん積み上げられたコンテナだ。

 俺はこのコンテナたちと共にここに連れて来られた。

 理由も告げられずにだ。

 今日の朝、いきなり面倒なヤツに呼び出されて行ったら、そこには貨物機だけがあり途惑ってたら後ろから押されて乗せられ、コンテナたちと共に乗り心地悪い中で何時間も揺られ、着いたと思ったら今度は無理やり出され、この砂浜に放置された。

 その時俺を無理やり乗せたり出したりしたアイツの顔を思い出しただけでどんどん腹が立ってきた。

 次会ったらぶん殴ろう。

 そうしよう。


「フフフ、フッハハハハハハハ、ハッハハハハハハハハハハハ、ハッハハハハハハハハハハハハハ!!……………………………………やめよう」

 

 大量のコンテナの近くでいきなり悪者がしそうな高笑いを上げるヤツとか痛すぎる。

 朝から色々あってちょっと疲れてんのかな。


「そんな事より。状況整理しないとな」


 俺はもう一度周りを見渡す。

 見えるのはさっき言った砂浜と海、コンテナ。

 そして海の反対には町が広がっていた。

 それほど大きい訳ではない。

 これは貨物機の中から見れた。

 まず移動に車は必要無いのは確実だろう。

 絶対に邪魔になるだろう。

 他にも見えたのは商店街だ。

 店の数はかなり多かった。

 ここの広さを考えればあの商店街は大きい方だと思う。

 他には寮だと思われる大きい建物が何個や、一軒家が1つ。

 そして何よりここからでも見える時計塔。

 それとその時計塔を中心に広がる大きな学園。

 上から見てもあの時計塔は圧巻だった。

 どれぐらいの高さなんだろう。

 あ、他にもあったな。

 ここの周りを囲う様にある白いリング。

 それは斜めになっていて途中で交差してる。

 あれについては聞いたことがある。

 確か魔法科学混合環状型侵入者撃退システム『セラフィムリング』だったな。

 外からの許可無く入ろうとする侵入者を撃つ為の物らしい。

 白いリングから弾幕が永遠に飛んでくるんだっけ。

 確かあの俺をここに連れてきた最高にムカつくクソ野郎も撃退システムじゃなくて殲滅システムだろって言ってたな。

 本当に、ホンッッッッッッッッッッッッッッッッットに納得いかんが今回だけはあいつに同感だ。

 にしてもこんな物造るなんて凄いと思うわ。

 出来てから1度も侵入を許した事がないらしい。 

 魔法と科学の両方を使って造られたらしい。

 まあ撃ち出す弾幕は魔力の弾だし、魔力で動いてるから魔法の部分の方が多いらしいが。

 ちなみにこれはここにしか無い。

 まあここにあるやつを造っただけでかなりの金を使ったらしいし、魔力がないといけないしな。

 電力でやろうと思ったら弾も実弾を使う事になるし、金がもっと飛ぶだろうな。

 まあ、聴いていた噂とここにある物を整理すれば大体は分かった。


「ここはウィシュガルで間違いないな。なんで俺がここにって、まあ大体分かるが。絶対あれだよな」


 ここは自治魔法機関ウィシュガル。

 ウィシュガルは50年くらい前に出来たらしい。

 50年くらい前というのはこの世界に魔獣が現れた時期だ。

 それより前のこの世界は魔法や魔獣と言ったものなんて存在しない世界だった。

 しかし突如日本に神話に出てくるような化け物が出現した。

 そのあとから世界の各地で出現するようになり色々な物を破壊した。

 だが半年ぐらいしたとき魔獣たちが使う力、魔法を使えるようになった少女たちが現れ始めた。

 だが世界はその力を見て恐れた。

 恐れた世界は少女たちをこの孤島を改造して保護を名目に隔離した。

 ウィシュガルはこの時に出来たということだ。

 俺が所属する対魔獣国際機関ピースガルもちょうどこの時にできた。

 ピースガルは軍事組織と言ってもいい。

 階級もあるし、色々な部隊がある。

 俺は部隊の隊長で階級は少尉だった。

 16歳の俺が少尉だったから周りからは特別視されていた。

 まあそれは置いといて、もともとウィシュガルはピースガルの傘下だった。

 だからウィシュガルにも階級がある。

 まあ、あくまで合同作戦時の為だからそれ以外の時はあまり関係ないらしいが。

 あとピースガルのやっていることは対魔獣兵器の開発や対魔獣戦術の考案、魔獣災害後の対応などだ。

 そしてウィシュガルは魔獣戦の切り札とされている。

 ピースガルが倒せないときに戦うという事になっている。

 だが実際はピースガルは弱い魔獣しか倒せていない。

 しかも弱い魔獣は群れる事が多いからかなりの戦力を注ぎ込むことになる。

 だから魔獣と戦うのは大体ウィシュガルということになる。

 これのおかげで25年くらい前にウィシュガルはピースガルから独立した機関になった。

 これはウィシュガルの魔法使いたちがこの世界の人たちを護ってきたからだろう。

 現在のこの2つの機関はピースガルは魔獣災害後の対応がメインとなっている。

 そしてウィシュガルが魔獣の討伐だ。

 まあ、俺の部隊は特別な部隊だったが。

 

「にしても、ここに来てかなり経ったはずなんだがな。誰もこねぇ」


 そう。

 もうここに来て1時間は経ったはずだ。

 なのになんで誰も来ねぇんだよ!?


「ったく!!こういう場合って普通案内人が来るもんじゃねぇか?…………はあ。コンテナたちよ…………。お前たちもこんな何時間も放置されて…………。俺の仲間はお前たちだけだぜ。ああ!!心の友よ!!」


 俺はコンテナに手を当てて喋る。


「………………俺は何やってんだよ」

 

 やって凄い後悔したわ。

 やっぱり疲れてんだな俺は。

 高笑いを上げるわ、やたら心の中で説明するわ、コンテナに話しかけるわ。

 ………………何やってんだろ、俺。

 こんなの誰かに見られたら…………。


「何やってるの?」


 ギャアアアアアアァァァァァァァァ!?

 終わったああああアアアアアアアァァァァァァァァァァ!?

 もう人生終了のお知らせだぞ!?

 これ!?

 どうする!?

 考えろ!?

 そうだ!!

 見て無かったっていう可能性も…………。


「ねえ?何してたの?コンテナに話しかけて」


 ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァ!?

 本当に終わったよ!?

 どうすんだよ!?

 これ!?

 もう俺社会的に死んだよ!?

 いや諦めるな俺!!

 まだ、打開策はあるはずだ!!


「え、え~とだな」


「うん」


「コンテナの神様と語り合ってたんだ!!」


 何言ってんだ俺!?

 何とち狂ったこと言ってんだよ俺!?

 コンテナの神様って誰だよ!?

 信じる訳ねぇよ!?


「コンテナの神様なんて居るの!?」


 こいつ馬鹿だ!?

 いや、落ち着け!?

 深呼吸、深呼吸。

 ふう。

 落ち着いた。

 よし、疲れ切ったポンコツの頭でもこれなら!!


「いや、冗談に決まってんだろ」


 俺ははっきり言い切った。


「そうなの!?」


「つか信じる方が可笑しいだろ」


「酷いよ!?」


「すまんすまん」


「む~~~~…………」


 俺は落ち着いてきた頭で声を掛けてきた人を見る。

 まず見てしまったのはとても綺麗な銀色の長い髪だ。

 その髪は光が当たると眩しく輝いていた。

 そして顔は間違いなく美少女と言えるだろう。

 かなり可愛いと思うというか少し見惚れてしまった。

 あとスタイルも出るとこ出てて、引っ込むとこは引っ込んでる。

 それと今の怒って顔を膨らませてるが可愛いだけだ。


「ねえ」


 彼女が顔を赤くして俺を呼んだ。


「ん?なんだよ?」


「そんなに見られると恥ずかしいよぉ」


 なんなんだろうか。

 このモジモジして可愛い生物は。

 それとさっきから動く度に揺れる豊な胸は眼福だ。

 まあ、さすがにこれぐらいにしとくか。


「すまんすまん。ちょっと考え事してたから」


「う、うん。いいよ。こっちもゴメンね?」


 まあ、見惚れてたとか言ってもいいんだけど、それをするとまた照れて進まないだろうし。

 今はさすがに休みたいしな。


「あ、あのね?少し聞きたいんだけどね?」


 彼女が少し戸惑った感じで訪ねてくる。


「なんで、男の子がここに居るの?」


 やばい……………………。

 この島って男は商店街に住んでいる人だけなんだよな。

 おっさんとか爺さんしかいないらしいし。

 だからここに同学年の男子が居るのが可笑しいんだろう。

 どう説明するか。

 この娘なら何とか誤魔化せそうだがな。


「ま、まさか、の、覗き!?」


「違うわ!?」


 ビックリだわ!?

 なんでそんな発想が出てくんだよ!?

 覗きの為にセラフィムリング突破を試みるとかバカ過ぎんだろ!?


「じゃ、じゃあ、な、ナンパ?」


「もっとねぇよ!?」


 何なんだよこの娘!?

 ナンパの為に今だ突破されてない物に挑むとか!?

 もっとねぇよ!?


「てか、話きけよ!!」


「ひゃい!?」


俺が少し大きい声で言うと、彼女はビクンッと体をビクつかせた。


「よく聞けよ。俺は今日いきなりここに無理やり連れて来られたんだ」


「う、嘘だよそんなの!?」


 いや、なんでコンテナの神様信じてこっちは信じないんだよ!?

 こいつの頭どうなってんだよ!?

 もう、疲れた…………………。


「大体!!君は一体どこの誰!?」


 これって…………。

 最初に来るべき質問だよな普通。

 いや、もうこの出会いに普通を求めるのが可笑しいか。

 というか俺が普通を求めてる時点で俺がどれだけ疲れてるかが分かるな。

 まあ、でもお互い何も知らないし名乗っといた方が良いか。


「俺はピースガル所属、刀薙玲雄少尉だ」


「ふぇ!?少尉!?い、いやここはウィシュガルだもん!!階級なんて関係ないもん!!」


「まあ、そうだな。だから階級なんて気にせず玲雄って呼んでくれ」


「う、うん。わかったレオ。って違うよ!?結局ここで何してたの!?」


 さっき言ったはずなんだが…………。

 どうするか、この娘が納得しそうなことが思いつかん。


「覗きでもナンパでもない、となるとま、まさかここでハーレム作る為!?」


「いや、だからねぇよ!?」


 ほんと何なの!?

 なんでそんな発想しか出てこないんだよ!?


「変態!!ろくでなし!!鬼畜!!最低!!すけこまし!!不潔!!女誑し!!え、えっと、…………えっと………………」


 考える限りの悪口を口に出してるようだ。

 やべ、どんどんイライラしてきたわ。


「ミユさん。こんな所で何を叫んでいるんですか。まったく。はしたないですよ」


 いきなり砂浜から上がったところから声が聞こえた。

 そっちに顔を向けるとよく知ってる顔。

 会いたかった、でも会えなかった俺の妹、刀薙魅輝の顔があった。

どうでした?

今回はいきなり主人公が壊れてるんですが。

いつもはこんなんじゃないですよ。

振り回される方じゃなく振り回す方です。

今回は本当に疲れてたんでしょうね。

次回こそ本当の主人公が見せられるはずです。

さてまあ、今回はこの辺で

さよなら~

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